渋滞損失時間が約3割減ってマジか 史上初ファスナー合流大作戦の効果

渋滞損失時間が約3割減ってマジか 史上初ファスナー合流大作戦の効果

 2019年11月の終わり、NEXCO中日本が、愛知県・名神高速上り線の一宮JCTで、史上初となる渋滞緩和策を実施した。

 その名も「ファスナー合流」大作戦。その内容、そして効果の程は、いかほど?

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※本稿は2020年3月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年4月26日号


■加速車線のまちまちで合流すると流れが悪くなる

「ファスナー合流」とは何か? というと、まるで衣類のファスナーのように、クルマが規則正しく1台ずつ交互に合流することだ。

 インターチェンジやジャンクション(JCT)、サービスエリア・パーキングエリアなどから高速道路の本線に合流する箇所では、渋滞が発生しやすくなる。

 このような場所で渋滞が発生している時は、早めに手前のほうで合流するのがマナーだと思っている人も多いのだが、実はそれは間違いだ。

 加速車線の先頭まで進み、譲り合いの精神で1台ずつファスナー合流したほうが、交通の流れはスムーズになるのだ。

 そのため、高速道路会社ではドライバーにこれまでもファスナー合流への協力を呼びかけてきているのだが、このファスナー合流を合流部の構造を変更する方法で実施したのが今回の“大作戦”というわけだ。

 場所は、東海地方で最も混雑する名神高速・上り線の愛知県にある一宮JCT。一宮JCTでは東海北陸道から合流するクルマが加速車線のいたるところから本線の名神高速へと合流するため交通の流れが悪くなっていたという。

 そのためNEXCO中日本は先頭の車両だけが合流できるように、車線を分離する2mおきに設置したラバーポール(高さ80cm)を100mから360mへ延伸。

写真中ほどの矢印が描かれているのが360mに延伸された合流部のラバーポール。これによって加速車線の先頭まで進んで合流できる

 同時に、対策前は350mあった合流部を210mに短縮することによって、1台ずつクルマが交互に合流するファスナー合流を促す渋滞対策を昨年11月29日から開始した。

 なお、このファスナー合流に着目した渋滞対策は高速道路では初めてだという。

■渋滞損失時間は約3割減少

 そして今年(2020年)2月27日、NEXCO中日本は今回の「ファスナー合流」大作戦による効果を発表。

 11月29日の運用開始から2カ月間の交通状況を前年同期と比較する調査を行った。これによると本年と前年の交通量(7~19時の12時間)はほぼ同じ(図4)だったにもかかわらず、名神高速と東海北陸道を合わせた渋滞による損失時間が約3割減少。

 また渋滞している区間の平均通過時間は、名神高速では約13分から約10分に約3分短縮され、東海北陸道では変化なし。

 渋滞件数は名神高速と東海北陸道の合計では201件から183件へと約1割減少している。

 渋滞損失時間と渋滞件数については、特に交通量の多い名神高速での効果が高かったといえる結果だ。

 なお、NEXCO中日本は今回の結果からファスナー合流の定着によってさらなる効果が期待できると述べている。

 またJCTだけでなく、今後はインターチェンジやサービスエリアなどから高速道路本線への合流で渋滞する箇所でのファスナー合流の展開も検討しているそうだ。

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