日本市場でもアイオニック5などを販売する韓国ヒョンデが、アメリカで興味深い取り組みを行っている。トランプ関税への対策として北米生産を増やしたい同社が、膨らむ人件費への対策として、製造をヒト型ロボットに担わせるという!!
※本稿は2026年2月のものです
文:角田伸幸/写真:ジェネシス ほか
初出:『ベストカー』2026年3月26日号
ヒト型ロボットがクルマを作る!?
韓国ヒョンデの、ある取り組みが注目を集めている。
同社の主力市場は北米だが、日本と同様にクルマの輸入には関税が課せられ、収益が悪化している。販売台数自体は堅調に推移しているものの、関税によるコスト増が利益を直撃しているのが実情だ。
現地での生産を増やせば関税の影響は抑えられるが、北米は人件費が高く、単純な増産では利益率を高めることが非常に難しい。そこで同社はどうしたか。話は単純。北米の生産現場に、ヒト型ロボットを投入すると発表したのだ。
ヒョンデは傘下にロボット開発の大御所「ボストンダイナミクス」を抱えている。同社が開発するヒト型ロボット「アトラス」を生産ラインに配置し、組み立てや搬送といった作業を担わせることで、生産コストを抜本的に引き下げる狙いである。人の代替ではなく、工場そのもののあり方を変える一手といえる。
人型ロボット「アトラス」は時給180円の低価格
実際、その効果は驚くべきものだ。将来的にアトラスの「時給」は1.2ドル(約180円)まで下げられるという。量産と技術改良が進めば、24時間稼働も可能となり、休憩や交代要員も不要となる。人手不足と人件費高騰という二重苦を同時に解消できる点は、自動車産業にとって極めて大きい。
実際、この発表があってからヒョンデの株価は過去最高値圏まで上昇した。ロボット活用による収益構造の改善や、将来の競争力強化への期待が市場で強く意識された結果だ。
この取り組みは他人事ではない。人手不足に悩む日本のクルマ生産の現場でも、同様の問題は確実に深刻化する。ヒョンデのロボット導入は、世界のクルマづくりの近未来を占う、重要な指針となるはずだ。
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