ツーリング中に「まだ走れるはず」と油断し、ガス欠寸前になってしまうケースは意外と少なくありません。近くにガソリンスタンドがあればいいものの、最悪の場合はバイクを押して移動せざるを得ないこともあります。そこで本記事では、ガス欠を防ぐために知っておきたい基本知識を解説。満タン時の航続距離の把握に加え、燃料残量が少なくなりリザーブに入った際の対処法などについて紹介します。
●タンからの航続可能距離を知っておく
ガス欠とは、文字通り、燃料タンク内のガソリンが空っぽになってしまい、バイクやクルマが走れなくなってしまう状態のことです。
「自分には無縁だ」と思っている人もいるかもしれませんが、たとえば、初めてツーリングに行く地域などでは、意外とガソリンスタンドが見つからず、「もう少しガス欠になるところだった」といったケースは意外によくあるもの。また、実際に、ガス欠になってしまい、バイクを押したり、JAFなどのロードサービスのお世話になったという話もよく聞きます。
そこで、知っておきたいのがガス欠を回避するための知識やデータ。まず、重要なのは、「自分のバイクは、1回のガソリン満タンでどれくらいの距離を走れるのか」です。満タン後に走れるだいたいの距離が分かっていれば、次に給油するタイミングを計りやすいからです。
カタログのスペックから計算する
満タンからの航続可能距離を調べるには、主に2つの方法があります。まずは、カタログやメーカー公式WEBサイトにある愛車のスペック(主要諸元)表を見て、「燃料消費率」と「燃料タンク容量」から航続可能距離を算出する方法です。
ちなみに、スペック表の燃料消費率の欄には、「定地燃費値」と「WMTCモード値」が載っていることがありますが、より現実に近いのはWMTCモード値の方だといわれています。そのため、満タンからの航続距離の計算は、このWMTCモード値と燃料タンク容量で計算します。計算式は以下の通りです。
「燃料消費効率(WMTCモード値)」×「燃料タンク容量」=「航続可能距離」
たとえば、ヤマハの軽二輪スポーツ「XSR155」の場合(2026年6月30日発売予定)。
このモデルでは、カタログ上のWMTCモード値は48.1km/Lで、燃料タンク容量は10L。これら数値を計算式に入れると以下の通りになります。
48.1km/L×10L=481km
つまり、1回の満タンで約481kmの航続距離があることが分ります。
ただし、これはカタログ上の数値なので、実際の航続距離は走り方などで変わってきます。あくまで参考値と考え、ツーリング先では早めの給油を心掛けた方がいいでしょう。
実際の燃費を計測して計算
購入直後の車両などで、まだあまり長距離走行などをしてない場合は、上記のようにスペックから航続距離の目安を計算するしかありません。ただし、よりベターなのは、何回かツーリングなどをした際の給油量や距離を記録して計算することです。同じバイクでも、ライダーによって乗り方などが違いますし、どんな場所を走るのかなどによっても変わるので、より自分の走りにマッチした燃費や航続距離などが分かります。
実際の走行の記録を使って計算する方法には、一般的に「満タン法」と呼ばれる実測燃費の測り方があります。計算式は以下の通りです。
「走行距離」÷「ガソリン給油量(満タンからの消費量)」=「実測燃料消費率」
たとえば、ガソリン満タンからスタートし、210kmの距離を走行した後にガソリン6Lを給油したとします。その場合、実測燃費は以下の通りになります。
210km÷6L=35km/L
そして、この実測燃費に愛車の燃料タンク容量を掛ければ、満タンからの航続距離が割り出せることになります。仮に、先に紹介したXSR155でこの実測値が出たとすれば、燃料タンク容量10Lなので、航続距離の目安は350kmということになります(35km/L×10L=350km )。
燃料警告灯の点滅後の航続距離を把握する
だいたいの航続可能距離が分かっていても、なかなかガソリンスタンドが見つからず、「ガソリン残量が残りわずかになってしまった!」といったケースもありえます。
そんな場合、多くのバイクでは燃料警告灯が点滅しますが、点灯後も一定距離を走行できる設計となっています。そのため、あらかじめ自分の愛車が警告灯点灯後にどれくらい走れるのかを把握しておくことも重要です。
確認方法としては、まず取扱説明書などで燃料警告灯が点灯する残量をチェックします。
たとえば、ホンダ「レブル250」シリーズの場合(STD・E-クラッチ・SエディションE-クラッチ)。
このモデルでは、燃料残量が約2.2Lになると、メーター内にある「FUEL(燃料計)」のマーク(目盛り)が1つ(E)だけ点滅。その後、燃料計の上に配置されている「オドメーター」などの表示が「リザーブ燃料消費量[RES]」に自動で切り替わり、残りのガソリン量を知らせます。
そして、その残量とカタログ上の燃費をもとにすれば、警告灯点灯後の航続距離を割り出せます。
レブル250のカタログ上の燃費(燃料消費率)はWMTCモード値34.9km/L。仮に、燃料計の目盛りが1つ(E)だけ点滅した直後(燃料残量が約2.2L)からの航続距離を計算する場合、燃費に燃料残量をかければ算出できます。
34.9km/L×2.2L=76.78km
つまり、カタログ上の数値では、燃料警告灯の点灯後も76.78kmほど走れる計算となります。ただし、あくまでカタログ数値上の計算なので、実際は走り方や天候によって変わってきます。
CB1000Fは残りの走行可能距離を表示
ちなみに、最近は、燃料残量が少なくなると、メーター内の燃料計が自動で切り替わり、残りの走行可能距離を表示するモデルなども出てきました。
たとえば、同じホンダの大型ネイキッドスポーツ「CB1000F/SE」。
このモデルでは、燃料残量が約3.0Lを下回ると、メーター内の「FUEL(燃料計)」が「RANGE(走行可能距離)」へ自動で変更。そのときに残っているガソリン量で、走行可能な距離はどのくらいかの推定値を表示するようになっています。
つまり、レブル250のように、わざわざ計算しなくてもいいってことです。その後に走り方や天候状況などによっては、実際の走行可能距離とは異なることもありえます。あくまで参考値と考え、早めに給油するように心掛けましょう。
目的地などのガソリンスタンド状況も調べる
さらに、可能であれば、ツーリングの前に、目的地や出先にあるガソリンスタンドの位置や営業状況などを確認しておけば万全だといえます。とくに、郊外のガソリンスタンドは、日曜日が定休日だったり、情報が古いと閉店していることもあります。
また、利用する高速道路の路線内に、ガソリンスタンドが設置してあるサービスエリアはどのくらいあるのかも知っておくといいでしょう。
高速道路のサービスエリアは、およそ50km間隔で設置されていますが、必ずガソリンスタンドが併設されているとは限りません。なかには、100km以上にわたってガソリンスタンドがない路線も全国で80か所以上あるといわれています。そんなエリアでは、高速道路上で給油しようと思っていても、ガソリンスタンドのあるサービスエリアにたどり着けない場合もあります。
高速道路でガス欠して停車すると違反!
そして、もし高速道路上でガス欠になりそうになったら、すぐに一般道へ降りることをおすすめします。高速道路上でガス欠により停車すると、後続車に追突されるおそれがあり非常に危険です。さらに、道路交通法違反に問われる可能性もあります。
「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」に該当し、検挙されると反則点数2点、反則金はバイク7000円(普通車9000円、大型車1万2000円)が科される可能性があります。
その点、一般道に入ってしまえば、万が一ガス欠になっても安全に停車できる場所も多いですし、停車方法さえちゃんとしていれば高速道路のように違反に問われることもありません。さらに、停車した場所にもよりますが、近くにガソリンスタンドがあれば、バイクを押していくこともできる可能性があります。
燃料管理で快適なツーリングを!
このように、ツーリング先では、ガソリン残量の管理をきちんとすることは意外に重要です。バイクを押して歩く、もしくはロードサービスのお世話になるといった事態に陥ることはもちろん最悪。また、ガス欠寸前で、ガソリンスタンドを探して走ることで運転中の集中力を欠くような状態となると、事故を起こす要因にもなります。
ガス欠を回避する術を事前に知り、くれぐれも、安全・安心・快適なツーリングを楽しみたいものです。
*写真はイメージです
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/bikenews/543125/
ツーリング先でガス欠寸前!あと何km走れる?航続距離の目安と計算法【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/543125/543180/











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