自動車保険は基本的に事故による損害が対象で、ぶつけた、ぶつけられたといったケースは補償されますが、故障に対しては対象外です。しかし近年、一部の保険会社では、故障修理の費用を負担してくれる「故障補償特約」が付帯できるようになりました。ただし、内容を正しく理解しておかないと「思っていた内容と違う」と感じることもあります。ちょっと判断が難しい、故障補償特約について、考えていきましょう。
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】故障による修理費用って自動車保険が使えない!なら故障補償特約って入った方がいいの?(7枚)画像ギャラリー故障補償特約で助かるケース・使えないケース
まず知っておきたいのは、故障補償特約が「どんな故障でも使えるわけではない」という点です。原則、⾃動⾞が故障により⾛⾏不能となり、レッカーけん引された場合の故障損害に対しては補償されます。
最近の車は電子制御が増えており、修理費用も高額になりやすいのが現状。こうしたトラブル発生時には、「入っていて助かった」と感じる特約でもあります。
一方で、対象外になるケースも。タイヤやブレーキパッドなどの消耗品、バッテリーの劣化、オイル管理不足によるエンジントラブルなども基本的に補償されません。また、小さな不具合を長く放置していた場合も、突発的ではないと判断され対象外になることがあります。
加入するべきか?損得の考え方と最近の傾向
故障補償特約を検討するうえで大切なのは、「年式」と「損得のバランス」です。
この特約は、加入条件が「初年度登録から84ヶ月以上(7年以上)」とされていることが多く、ちょうどメーカー保証が切れ、故障リスクが現実的になってくるタイミングに合わせた設計になっています。そのため、補償が切れた7年目以降の車にとっては一気に現実的な選択肢です。
例えば、20等級で車両保険(一般条件)に加入していたSUVが、エンジン不調でレッカー搬送となり修理になったAさんの場合。エンジン系統の修理費は約11万円となりました。このとき、故障補償特約(定額払10万円)を付帯していることを思いだしたAさんは、故障補償特約を使うことにしたのです。
特約の使用により1等級ダウンとなり、翌年以降の保険料は年間で約5万円上がる見込となりましたが、「10万円が補償されるのであれば」とAさんは特約を使用することに決めました。
一方で、目先の出費は抑えられますが、のちの保険料で影響が出るケースも多く、故障補償特約を使えば必ず得とは限りません。さらに、保険会社によって違いはありますが、この特約は車両保険の「一般条件」に加入している場合に付帯されることがほとんどです。「エコノミー型(限定条件)」では対象外となるため、結果的に車両保険の一般条件を選ぶことで保険料は数万円ほど高くなることもあるでしょう。
このように、故障補償特約の付保や使用は、クルマの状態や修理費用、保険料の増加などトータルコストを見ながら判断することが不可欠です。
故障補償特約は「備え」と「損得」のバランスで考える
故障補償特約は、事故ではカバーできない「突然の故障」に備えるための選択肢です。ただし、すべての故障が対象になるわけではなく、使った場合には等級ダウンによる保険料アップも発生します。
年式が進み、修理費に不安を感じ始めたときこそが、検討のタイミングです。いざというときの出費を抑えたいのか、それとも保険料の上昇を避けたいのか、そのバランスを自分なりに考えて選ぶことが、後悔しないポイントと言えるでしょう。
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