ブレーキフルード交換を実践した直後から、ナンだか違和感があり、気が付けばフルード漏れが発生しているではないか……と言ったこともある。また、フルード交換によってマスターシリンダーの作動性に変化が……と言ったこともある。ここでは、ブレーキフルード交換時に試していただきたい「インナーパーツのポリッシュ=磨き」 をリポートしよう。
小さな気配りでも嬉しい反応=体感性能となって現れる

ブレーキマスターシリンダー内のインナーピストンはアルミ製が多く、潤滑不良によって摺動部が摩耗しているケースがある。ここでは、マスターシリンダー内壁と擦れ合う部分を磨き込み、作動性の向上を図ろう。カップシールは紙テープでマスキングした。

マスキングした紙テープ部も含めてピストン本体を指先で持ち、1200番の耐水ペーパーでシリンダー内壁と擦れ合うピストン本体の外周を磨く。エッジ部分は面取りするように磨くと効果的なようだ。磨き過ぎには要注意。

耐水ペーパーで磨き込みを行なったら、メタルコンパウンドを目の細かいウエスやマイクロファイバークロスに塗布して外周を磨き込む。ポリッシュによって抵抗が減り、確実に作動性が高まる。新品部品のときにはアルミダイカスト特有のキズやバリのようなものがあるが、ここまでキレイになれば納得だ。
金属同士の接触摺動箇所を磨くことで作動性の向上を狙う

ピストンとブレーキレバーの押し部分も耐水サンドペーパーを利用して磨き込み、キズや段差や偏磨耗を平滑に仕上げる。この研磨作業でブレーキレバーのタッチは激変する。この部分に偏磨耗があると、レバー操作中に微妙な引っ掛かりが生じるのだ。

ブレーキマスターピストンの押し込み部分に偏磨耗は無かったが、分解時にピックアップツール先端で押し込んだときのキズがあった。今回は磨き込みでそのキズを消すことにした。まずは耐水ペーパーで磨き、その後、仕上げ磨きに移る。

仕上げ磨きの第一弾で粗磨き用オイルストーンを利用した。オイルを塗布しながら端面の磨き込みを行なっていく。オイルストーンにも粒度違いがあるのだ。段差がある場合も、順を追って作業し、平面を取り戻すことが重要である。
メタルポリッシュによる磨き込みが効果的!!抵抗が減って作動性が向上

耐水ペーパーやオイルストーンと同じように、目が細かいウエスやマイクロファイバーウエスを平らな板の上に敷き、メタルコンパウンドを塗布してピストン端面を押し付けながら磨き込む。ブレーキレバー側の押し部の状況も確認しておこう。

磨き込みを完了したら、マスキングテープを剥がしてカップシールおよびその周辺の汚れを徹底的にパーツクリーナーで洗い流そう。本体とシールがバラ部品のときに磨き込むのがベストだ。新品部品でもこのような作業で明らかな違いを得られる。

マスターシリンダー内壁は寸法的に使えそうなナイロン製の管用ブラシを利用して磨いたが、寸法が適応したフレックスホーンがあれば、あっと言う間にピカピカに磨き上がる。組み込み時にはカップシール外周にラバーグリスを塗布することで、シールリップと金属シリンダーの作動性が驚くほど良くなる。ラバーグリスは多く塗り過ぎても良くない。
- ポイント1・油圧ディスクブレーキのレバーを力強く握り込んだ時に、ビビリ感があるときにはマスターピストン磨きが効果的
- ポイント2・削るのではなく磨くことが重要だ。ビビリ感を放置したまま乗り続けると偏摩耗の原因になる
- ポイント3・分解&磨き込みの前に、プッシュ部分の汚れを洗い流し、マスターピストンを180度回す=ローテーションすることでもレバータッチは激変する
重箱の隅を突っつくかのようなメンテナンスと言えるが、実際にマスターシリンダーを分解洗浄しながら、この作業を行ったことで、レバー操作感やタッチ感がまったく違うブレーキに生まれ変わった経験をしたことがある。中古車購入直後は、ブレーキレバーを握った時の指先に、コツコツコツッとかギュギュッといった感覚が伝わることがあったが、ここでの作業を実践しつつグリスを塗布したことで、まったく違ったレバー操作フィーリングになったのだから驚きである。フロントブレーキほどの感動は得られなかったが、リヤブレーキマスターに関しても、同作業を行ったことで、これまで以上のコントロール性を得られるようになった。
分解メンテナンスが面倒だとか、即座に違いを体感してみたい=お試ししたいときには、ブレーキレバーを取り外し、マスターシリンダーに組み込まれるインナーピストンをローテーション=180度回して試してみよう。その際には、ピストンカバーとなるゴムブーツにダメージを与えないように注意しよう。レバー操作に違和感があるときには、作業時間もかからないこの方法で、ピストンのローテーション=当たり位置を変更してみよう。少なからずレバーの操作感やタッチ感に違いが出るはずだ。
コンディション維持のためのメンテナンスこそが、何よりも大切かつ重要なルーティンであることに変わりはない。しかし、その一歩先にある「ちょっとした違い」を得るための作業が、ここでのメンテナンス内容とも言える。雨天時の走行や夜間の長距離走行などでは、このようなちょっとした違いが、ブレーキングしやすい「扱いやすさ」としてバイクを印象付けるものでもある。機会がある時には試してみよう。
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/maintenance/525400/
ブレーキマスターピストン「ローテーション」でレバータッチ激変!【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/525400/525407/

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