N-BOXより21年も早かった三菱トッポ!! スペース効率の神と呼ばれたワケ

N-BOXより21年も早かった三菱トッポ!! スペース効率の神と呼ばれたワケ

 近年の軽自動車市場は、ルーフが高く室内空間を広く確保したトールワゴンが主流です。2024年度の販売ランキング上位を占めるN-BOX・スペーシア・タントは、いずれもトールワゴンタイプ。実はこの背高軽自動車のジャンルを切り開いた元祖ともいうべき存在が、三菱にありました。背の高い人を意味する日本語「ノッポ」をもじった車名を持つ、三菱トッポシリーズです。今回はその歴史を振り返ってみましょう。

文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部、三菱自動車

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トールワゴンの元祖は1990年に誕生

当時としては珍しい個性的なルーフが初代のポイント!
当時としては珍しい個性的なルーフが初代のポイント!

 初代ミニカトッポが世に登場したのは1990年のこと。エンジン・駆動系・シャシー・ボンネットなどを6代目ミニカと共用しつつ、ルーフを大胆に上方へ伸ばした個性的な一台でした。サイドビューは左右非対称という特徴的なデザインで、後席へのアクセスを考慮した助手席側のドアが、運転席側よりも大きく設計されています。

 1993年には2代目へフルモデルチェンジ。7代目ミニカに合わせてフロントデザインが刷新され、ホイールベースも延長されました。この世代ではレトロ調のデザインが施された「タウンビー」グレードも設定され、個性派ユーザーの心をつかんでいます。

 ミニカトッポは乗用車とバンの2種類が用意されており、とりわけバンは広い頭上空間を活かして各種配達業で重宝される存在となりました。軽自動車特有の窮屈さを感じさせない魅惑のパッケージングは、当時のユーザーに強い印象を残しています。

ミニカの名を離れ独立、トッポBJの登場

全高がライバルよりも高く、それにより室内空間を広く感じることができた。
全高がライバルよりも高く、それにより室内空間を広く感じることができた。

 1998年に登場したのが「トッポBJ」です。「BJ」はビッグジョイワゴンの略称で、ミニカの名を冠した先代から独立し、独自モデルとして生まれ変わりました。

 全高はルーフレール込みで1,740mmとライバル車をひときわ上回り、座面が高く設定されているにもかかわらずヘッドクリアランスには余裕があります。後席のレッグスペースもクラストップレベルで、室内空間の広さという点では敵なしの存在でした。身長177cmの筆者が運転席に座っても頭上に握りこぶし2つ分の余裕があり、窓が大きく開放感があることも相まって、ノア・ヴォクシーといったミドルサイズミニバンに乗っているような感覚すら覚えたほどです。

 メカニズム面でも注目すべき点がありました。軽自動車として初めて希薄燃焼方式(リーンバーン)エンジンを搭載したのです。660ccの直列3気筒SOHC12バルブECIマルチの3G83型は、シンプルな構成ながら優れたコストパフォーマンスと低環境負荷を両立した意欲作でした。さらに、直列4気筒DOHC20バルブインタークーラー付きターボを搭載した4A30型エンジンを積み、エアロパーツを纏ったスポーティな「R」グレードも用意されています。先代が持っていた商用車的なイメージを完全に払拭し、スポーティさと快適性を融合させたアグレッシブな一台へと生まれ変わったのがトッポBJでした。

4年の空白を経て復活、走りの質感も向上

足回りを専用チューニングとすることで、ふらつきを低減した。
足回りを専用チューニングとすることで、ふらつきを低減した。

 トッポBJが2004年5月に生産を終えると、三菱のラインナップからトッポの名と全高1,550mmを超える軽トールワゴンが姿を消してしまいます。しかし4年後の2008年、「トッポ」として復活を果たしました。ベースはミニカからeKワゴンへと変わり、中身は大きく進化しています。

 フロント周りのデザインはeKワゴンからの流用ですが、サイドドアやリアゲート、ルーフなどの外板は先代トッポBJのものを継承。見た目の印象はトッポBJと大きく変わらず、らしさをしっかりと受け継いでいます。

 室内の実用性も向上しました。フロントシートがベンチタイプに変更され、リアシートはクッションが柔らかくなり左右独立6段階のリクライニング機構を装備。ただし先代の後席レッグスペースの広さは再現できず、膝まわり空間が120mmにとどまった点は惜しいところです。

 特筆すべきは走りの質感の高さでしょう。高められた全高に対応するためスプリングなど足回りは専用チューニングが施されており、座面の低さがもたらす低重心と硬めのサスペンション設定により、トールワゴン特有のふらつきを見事に抑制。高い走行安定性を実現した点は、このクラスでは特筆に値します。

 現在、三菱の軽自動車は日産との共同開発によるeKシリーズが中心となっており、トッポのような独自開発のモデルは姿を消しています。デリカミニが独自のキャラクターとPRの巧みさで好調な売れ行きを見せているだけに、今後の軽自動車ラインナップへの期待は膨らむ一方です。トッポやパジェロミニのような個性派モデルの復活を望む声は、今も根強く残っています。三菱らしい発想で生まれた背高軽自動車の系譜が、いつかまた新しい形で蘇る日を楽しみに待ちたいものです。

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