このところ、気軽な旅やアウトドアの人気もあり、すっかり定着した車中泊。キャンプやクルマ旅だけでなく、小さな子供を持つファミリーには、目的地への前乗りが可能となることも好評のようだ。
車中泊人気を裏付けるデータのひとつに、国内のキャンピングカー保有台数が挙げられる。2005年は5万台だったものが、2018年には11万2500台と、2倍以上の伸びを見せているのだ(※日本RV協会調べ)。一方で、設備が充実したキャンピングカーまでは望まず、ミニバンやワゴンを中心に、さまざまな車中泊グッズを活用し、車中泊を行うユーザーも多い。
しかし、通常のクルマで、家族全員が快適に就寝するには、スペース的には厳しい。その悩みを解決すべく、立ち上がった三菱の新車ディーラーがある。同社が独自開発したデリカD:5の車中泊仕様車「デリカD:5 D:POP」を紹介しよう。
文/大音安弘
写真/MITSUBISHI、西尾張三菱自動車販売
【画像ギャラリー】人生をより楽しむための秘密基地! デリカD:5 Dポップをチェック!!
■クルマ旅ブームに注目!
独自の車中泊仕様車を手掛けるのは、愛知県で2店舗を展開する「西尾張三菱自動車販売」だ。開発のきっかけは、同社の社長のクルマ旅が好きに始まる。自由な移動が楽しめる反面、標準車では、快適な就寝が難しく、疲れやすいことを実感していた。
世の中のクルマ旅の広がりを受けて、2010年から手軽な軽キャンパーをビルダーと共同開発して販売するように。この軽キャンパーが好調だったことから、第2弾モデルの開発がスタート。それがデリカD:5ベースとした車中泊仕様車だった。
■隠し部屋を持つデリカD:5 「D:POP」
新しいオリジナルカーのコンセプトには、「普段使いできる車中泊車」をかかげ、「家族で就寝でき、より走破性の高いクルマ」としてデリカD:5をベースに選んだ。車中泊に便利なサブバッテリーやFFヒーターなどのオプションを揃えるが、基本的に車内は、D:5のままなので、使い勝手は、ベース車と同等を維持する。最大の秘密兵器は、隠し部屋となる「ポップアップルーフ」だ。
ポップアップルーフを立ち上げると、隠し部屋であるテントが出現。テントスペースは、長さ1800×幅1160mmと大人2名が就寝できるスペースを確保する。車内のシートもフルフラットとすれば、全体で大人4人が快適に就寝できるというわけだ。
テント部は、3ウェイ構造となっており、断熱生地の内側に、防虫ネットも装備。ルーフには、テントへ車内からアクセスできる開口部が設けられているが、ここにも三菱ディーラーとしてのこだわりが光る。
唯一のクロカンミニバンでもあるデリカD:5は、その走りを支えるべく、モノコックボディに、「リブボーンフレーム」と呼ぶ環状骨格構造を持つ。この骨格を避けて、開口部を設けることで、走破性と安全性を維持しているのが、大きな特徴だ。また日常使いの配慮として、テント部格納時の全高を、プラス130mmの2000mm(4WD 車)に収めているので、ハイルーフ対応の駐車場ならば、問題なく利用できる。
コメント
コメントの使い方