EV普及が進むなか、「ちょっと擦っただけなのに修理費が高額」という声が増えている。実際、池内自動車ではEV修理相談件数が3年で約5.2倍に急増。背景には、テスラやBYDなど人気EVの“意外な車体サイズ”と、修理体制不足という現実があった。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
“EVは小さい”の思い込みが危険!? テスラやBYDで接触事故が増えるワケ
「EVは未来のクルマ」というイメージはすっかり定着したが、その一方で、見落とされがちな問題も浮上している。それが“EV修理”だ。
板金塗装を手掛ける池内自動車公式サイトによると、同社に寄せられたEV修理相談件数は、2023年の125件から2025年には652件へと急増。2026年も5月時点で381件に達しており、このままいけば年間1000件超ペースになるという。
背景には、国内EV市場の拡大がある。特に近年は、TeslaやBYDなど海外勢の存在感が急上昇。街中でもEVを見かける機会が一気に増えた。
しかし、ここで意外な落とし穴がある。今回の発表で興味深かったのが、「人気EVは想像以上に大きい」という点だ。
たとえば、Tesla Model Yの全幅は1920mm。これは、国産大型ミニバンの代表格であるToyota Alphardの1850mmを70mmも上回る。
さらに、BYD SEALも1875mmとかなりワイドだ。
SUVやセダン形状のため、「アルファードほど大きくないだろう」と感覚的に思ってしまう人も多い。しかし実際には、日本の立体駐車場や住宅街の細道では、かなり神経を使うサイズ感である。
特にEVは静粛性が高く、加速もスムーズ。そのため車両感覚をつかむ前に、縁石や壁、隣車との接触が起きやすいという側面もある。
最近、都内の狭いコインパーキングで大型EVが切り返しを繰り返す場面を見かけることが増えた。“EV=環境に優しい先進車”という認識だけでなく、日本の道路事情との相性も考える時代に入った印象だ。
EV修理はなぜ高くなりやすい?
EV修理が難しい理由は、単純なキズ修理だけでは済まないケースが多いからだ。
EVはバッテリー保護構造の関係で、車体骨格やパネル構造が独特。また、メーカーによって塗装や素材も異なるため、一般的なガソリン車と同じ感覚では対応できない。その結果、「安全上の理由からASSY交換(部品丸ごと交換)」を提案され、高額見積もりになるケースも少なくないという。
こうした状況に対し、池内自動車では全国32店舗の直営工場ネットワークを活用。EV特有の修理ノウハウや調色データを社内共有し、修理品質の標準化を進めている。
特に直営体制によるナレッジ共有は、今後のEVアフターサービスにおいて大きな武器になりそうだ。EVはまだ“修理インフラが発展途上”の部分も多く、オーナー側も「どこへ持ち込めば安心なのか」が分かりづらい。
だからこそ、修理実績や対応経験の蓄積が重要になってくる。

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