自動運転トラックというと、高速道路におけるレベル4の実現を目指す「RoAD to the L4」プロジェクトがよく知られているけれど、公道外の自動運転なら話はずっと現実的になるのでは……。海コン運転手のヒロさんは「構内作業をサポートしてくれる自動運転なら大歓迎!!」と語ります。
文/海コンドライバーヒロさん、写真/ヒロさん・その他
*2026年3月発行トラックマガジン「フルロード」第60号より
構内の片付け作業をやってくれたら助かる
自動運転ってヤツは、少しずつ広まって行くんでしょうから、「世の中の流れには逆らえないよなぁ……」とも思います。運転手の仕事(というか給料)を完全に奪ってしまうような自動運転に関しては反対の気持ちが強いんですが、運転手のサポートをする自動運転なら賛成ですよ。
自分は海コン運転手なんで、「どんなことを自動運転でやってくれたら助かるかなぁ」と考えてみました。
やっぱね、真っ先に思いついたのは、いわゆる「積み置き」と「片付け」ですね。積み置きっていうのは、コンテナターミナル(ヤード)やバンプールからコンテナを搬出して、車庫なりシャシープールなりに台切って置いておく行為です。
片付けってのいうは、未搬入・未返却となって車庫なりシャシープールに残ってしまっているコンテナを、コンテナターミナルやバンプールに搬入・返却する行為なんです。これがね、厄介なんですよ。
横浜港では、混雑状況によって早ければ15分から30分程度でできちゃったりするんですけど、1時間かかることなんてザラですし、酷い時には3時間とか4時間かかることもあるんですよ。
この時間って、ホントにムダなんですよねぇ。というのも、自分の給与形態が「完全歩合制」だからです。簡単にいっちゃえは、一カ月の売上の約32%が給料として支払われるんですね。積み置きや片付けにも1本あたり2千円の売上は付くんですけど、それを給料に換算すると「640円」です。
とても大事な仕事ではあるものの、時間と金額のバランスを考えちゃうと「やってらんねー」とか思っちゃう仕事ではあります。やっぱり海コン運転手は、どこかしらの現場へコンテナ引っ張って走らないとお金にならないんですよ。
構内作業の拘束時間を何とかして欲しい!
ちなみに海コン運転手の仕事の流れをサラっと説明すると、前日に積み置いていたコンテナを現場にもって行き、配達を終えて港に戻ったらコンテナターミナルやバンプールにコンテナを搬入・返却し、翌日走るコンテナを搬出、シャシープールに台切ってな感じになります。
自ら走る分のコンテナも搬入・返却するワケですから、簡単にいっちゃうと、1日に配達を2本こなすなら、積み置きを3本、片付けを3本やるみたいな感じでしょうか。まぁコレは自分なりの理想的なカタチです。
毎日こんな上手く行くワケもなく、朝一で配達に行ったコンテナの搬入・返却で何時間もハマっちゃって、2回目の配達を他のクルマに持ってかれちゃうことも多々あって、そーなると給料にモロに響いちゃうんですよね。だから、個人的には積み置きや片付けは極力やりたくないです(笑)。
海コンって、基本的には毎日家に帰れるものの、拘束時間が長くなりがちです。個人的な感覚では、その一番の要因はコンテナターミナルやバンプールでのハマりだと思っています。というのも「看板掛け」と呼ばれる並びの締切時間があるからです。
横浜港だとそれが16時30分なんですね。看板掛けギリギリで並びに着いて、それから1時間かかるとなると、出られるのは17時30分。そこから、引っ張っているコンテナやらシャシーをシャシープールに台切るワケですから、会社に戻って業務終了となるのは18時過ぎです。
朝の4時に点呼を受けたとすると、一日の拘束時間が約14時間とかになっちゃいます。看板掛けギリギリで並んで3時間のハマりとなってしまえば、拘束時間が16時間となるので、法律的にもヤバくなってしまう状況になっちゃうんですよねぇ。
なので、もし港内での積み置きと片付けの部分を自動運転車にやってもらえるのであれば、とーっても助かります。っていうか、「自動運転、バンザイ!」ですよ(笑)。
まぁ自動運転ってヤツが、どれくらいまで進んでいるのか、あまり把握してないんですけど、海コンに限っていえばトレーラって特性もあるし、仕事の動きも複雑だったりするから、自分が定年を迎える11年後までに、海コンの自動運転車ってのは、現れないんじゃないかと思っています。「俺の仕事を奪わないでくれ!」ってな思いも込めて(笑)。
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