浜名ワークスは、5月14日〜16日開催の「ジャパントラックショー2026」で新型キャリアカー「HAMANA MODEL(HST171HMN)」を公開した。今までよりたくさん積めて、新機能も満載した次世代のフラッグシップモデルに迫る!
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
大幅な軽量化でスライド車軸で最大積載量9.3トンを実現
浜名ワークスといえばキャリアカー(車両運搬トレーラ)のトップメーカー。セミトレーラモデルのキャリアカーは「スライド車軸モデル」と「乗り越え車軸モデル」の大きく2タイプで構成される。
スライド車軸モデルは油圧でトレーラの左右のタイヤを外側に張り出すことで内側の出っ張りをなくせるモデルで、幅広車が積み降ろしやすいのが特徴。また、車軸周りのフロア高を低く抑えることもできるので、軽ハイトワゴンの7台積みも可能。ただし車軸部に油圧ユニットを搭載するため車重が重く、積載量は8.5トン前後にとどまる。
一方、乗り越え車軸モデルは固定式のタイヤ上部を乗り越えて積み降ろしするのが特徴。油圧ユニットがないぶん車体が軽く、積載量10トン超も可能だが、車軸周りのフロアが盛り上がっており背の高いクルマの2段積みには不向きとされる。
今回紹介するHAMANA MODELは乗用車〜軽自動車まで幅広く運べて汎用性が高いスライド車軸モデルの新たなフラッグシップモデルとして開発されたもので、フロア構造の見直しや重量バランスの最適化を図った結果、最大積載量はスライド車軸モデルとして国内最大級となる9.3トンを実現。
これにより従来モデルでは近年増加しているEVやラージクラスSUVなどでは成立しづらくなっていた乗用車6台積みが可能となり、また重量1.2トン級の日産軽ハイトEV「SAKURA」も7台積みが可能となった。
ユーザーの声を反映した新機能の数々
HAMANA MODELの開発にあたっては、積載量アップのほか、ユーザーへのアンケートも実施。その声を形にした新機能も盛り込んだ。
例えばこれまで複数ボタンを操作していたスライド車軸の操作スイッチは、新たに1つのボタンで一連の動作をまとめて行なうことができる全自動式を採用。これは操作に不慣れな新人や外国人でも扱いやすくしてほしい、というユーザーの声に応えたものだ。
また、ボディ塗装は防錆性能が高い亜鉛めっき塗装を標準化。トレーラは耐用年数が10年〜20年と長く、キャリアカーはむき出しとなったフレーム部分が融雪剤や凍結防止剤の影響で腐食するため、数年おきにリフレッシュが必要だが、その間隔を伸ばし、長寿命化を図る。
会場ブースで話を聞いたスタッフの話では、これまで数年おきに行なっていたリフレッシュが、使い方によっては10年おきでも良くなるかも、とのこと。リフレッシュは車両の稼働を止めるだけでなく莫大な費用もかかるため、ユーザーにとって大きな朗報となりそうだ。
さらに、HAMANA MODELは統一モデルとして開発されているのも大きなポイント。従来のキャリアカーは輪止めラックなど各種装備の取り付け位置を指定するのが基本だったが、HAMANA MODELでは位置を固定することで生産効率をアップ。課題となっている納期の短縮化も期待される。
このほか、HAMANA MODELにはブレーキ温度予測システム「HADD-2.8」も標準装備される。同システムは、スライド車軸のブレーキバックプレートを固定するボルトに搭載したサーミスタ(温度センサー)で車軸周辺部の温度を監視。異常を検知するとモニター表示や警報でドライバーに知らせるというもの。
車軸ハブ周りのグリスの発火点は約250度。トレーラは運行中、すぐに止まれないこともあるので、250度になってからでは遅いが、同システムは10分後の温度を予測する機能が備わるので、危険を早めに察知し、対策することができるというわけ。性能だけでなく使いやすさや安全性までこだわっているのだ。
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