どうなるレクサスのSUV戦略 国内で直面している課題と今後

どうなるレクサスのSUV戦略 国内で直面している課題と今後

 2019&2020年は国産メーカーから注目SUVが続々と登場した。特にトヨタは攻勢をかけ、「RAV4&RAV4 PHV」「ライズ」「ハリアー」「ヤリスクロス」と立て続けに発表している。

 そんなSUV人気のなか、国内市場で伸び悩み気味となっているのがレクサスだ。グローバルでは2019年に過去最高の販売実績を残したというレクサスだが、2018年11月に「UX」を販売して以来、新型SUVの投入はない。

 トヨタのみならず、ほかのメーカーもこれからさらに攻勢を強めるSUV市場で、レクサスが盛り返すためにはどのような戦略をとるべきなのか? 現在レクサスが国内で直面している課題を紐解きながら分析していく。

文/渡辺陽一郎
写真/LEXUS

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■大人気のSUV市場 国内メーカーが続々ニューモデルを投入!

 最近は各メーカー、ブランドともにSUVの開発に力を入れる。SUVは国内を含めた世界の市場で人気が高いからだ。

 特にトヨタ「RAV4」は、2018年の世界販売台数が84万台(約半数は北米市場)に達した。2019年におけるRAV4の国内登録台数は5万3965台だから、世界販売は国内の16倍になる。

 トヨタのSUVラインナップを振り返ると、2016年に「C-HR」を発売して、2019年には国内販売を一度終えていたRAV4を復活させた。2019年末には、ダイハツ製OEM車となるコンパクトSUVの「ライズ」も投入している。

 今後は2020年6月に、内外装や性能をすでに公表している「ハリアー」がフルモデルチェンジを行う。2020年秋にはコンパクトな「ヤリスクロス」も加わるから、トヨタの新型車はSUVが中心だ。

レクサスのSUVとは価格帯が異なるが、広い年齢層に人気が高いトヨタ「ハリアー」。トヨタの強みは、ここまで投入したSUVモデルがどれも人気が高く販売好調なことだろう

 またトヨタが展開する上級ブランドのレクサスも、コンパクトな「UX」、ミドルサイズの「NX」、Lサイズの「RX」、大柄なオフロードSUVの「LX」をそろえる。国内で扱われるレクサスの内、30%以上の車種をSUVが占める。

 SUVにはトヨタ以外のメーカーも積極的だ。マツダは魂動デザインとスカイアクティブ技術によって2012年から車種構成を刷新させ、今はミニバンを廃止して、カッコよさと走る楽しさを両立させたSUVに力を入れる。コンパクトな「CX-3」と「CX-30」、ミドルサイズの「CX-5」、Lサイズの「CX-8」をそろえるから、国内で売られるマツダ車の半分がSUVだ。

 ホンダにはコンパクトなヴェゼルとミドルサイズの「CR-V」があり、「フィット」と「フリード」も、SUV的な派生グレードの「クロスター」をそろえる。軽自動車では、三菱が外観をSUV風に変更した「eKクロス」と「eKクロススペース」を設定して、2020年6月にはダイハツが、スズキ「ハスラー」のライバルに相当する「タフト」を投入する。

 フィットとフリードのクロスター、eKクロスとeKクロススペース、インプレッサスポーツをベースに開発された「XV」などは、いずれも既存の車種がベースだ。単純にいえば、どのクルマでも、ワイドなフェンダーや少しサイズの大きなタイヤを装着するとSUVに変身する。

 スバル「アウトバック」の北米仕様には、かつてセダンボディ(国内の「B4」)も設定されていた。融通を利かせて柔軟に開発できることもSUVが増えた理由だ。

 国内におけるトヨタのSUV販売を改めてチェックすると、ライズは以前に比べて登録台数が下がったが、小型/普通車販売ランキングでは今でも上位に入る。2020年1~4月の1か月平均は9400台で、SUVの最多販売車種になった。

 SUVの販売2位はRAV4で、1か月平均はミニバンの「ノア」などと同等の5100台だ。中堅レベルのC-HRは3700台になる。ホンダ「ヴェゼル」はかつて高人気だったが、今では発売から6年以上を経過して売れ行きが下がり、C-HRとSUVの3位を争っている。それでもライズ、RAV4、C-HRは堅調で、トヨタの国内販売を支える基幹車種だ。

次ページは : ■販売は好調ながら「トヨタのレクサス」を払しょくできないレクサスの苦悩

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