新型CX-5からディーゼル消滅!! なぜ日本でクリーンディーゼルは主流になれなかったのか

新型CX-5からディーゼル消滅!! なぜ日本でクリーンディーゼルは主流になれなかったのか

 2026年5月21日、マツダの基幹車種である「CX-5」が待望の3代目へとフルモデルチェンジを果たしました。新たな電子プラットフォームの採用などデジタル機能の大幅な進化が話題を呼ぶ一方で、CX-5の代名詞ともいえるディーゼルモデルが設定されなかったことは、クルマ好きにとって大きな衝撃でした。

 低回転から湧き上がる力強いトルクと優れた燃費性能で、多くのファンを獲得してきたディーゼル車。しかし、日本では一定の支持を集めながらも主役になることはありませんでした。新型CX-5からディーゼルモデルが消えたいま、なぜディーゼル車は主流になれなかったのか。その理由をあらためて探ってみます。

文:吉川賢一/写真:MAZDA

【画像ギャラリー】9年ぶりのフルモデルチェンジ!! 2026年5月21日より販売開始となった、マツダ新型CX-5(22枚)画像ギャラリー

絶滅寸前だった乗用ディーゼル車を復活させたCX-5

 2026年5月21日に国内販売が開始となった、マツダ新型「CX-5」。3代目となる今回の新型では、室内空間や快適性の向上に加え、新たな電子プラットフォーム「MAZDA E/E ARCHITECTURE+」の採用によってデジタル機能が大幅に進化。最新世代にふさわしいモデルへとアップデートされました。

 ただその一方で、CX-5の代名詞ともいえたディーゼルモデルは設定されませんでした(マツダ公式サイトには先代型CX-5がいま(2026年6月下旬時点)も掲載されており、ディーゼル仕様が一部販売店で在庫販売中)。長年ディーゼル車を支持してきたファンにとっては、大きな衝撃だったのではないでしょうか。

 思い返せば、2000年代の日本では乗用ディーゼル車がほぼ絶滅しかけていました。「うるさい」「振動が大きい」「黒煙を出す」といったネガティブなイメージに加え、2003年からディーゼル車の排出ガス規制が東京都で始まったことで、多くのメーカーが国内向け乗用ディーゼル車から撤退していたのです。

 そんな流れを変えたのが、2012年に登場した初代CX-5でした。マツダはエンジン内部の燃焼を最適化する独自の低圧縮比技術を採用した「SKYACTIV-D」を開発。高価な後処理装置への依存を抑えながら排出ガス規制をクリアし(現在のSKYACTIV-Dでは尿素SCRも併用しています)、従来のディーゼルエンジンに付きまとっていた騒音や振動を抑えつつ、力強いトルクと優れた燃費性能を実現。高価な後処理装置を不要としたことでコストを抑え、車重増加の軽減にも貢献しました。

 同時期にはフォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツ、BMW、ボルボなどの欧州勢も、尿素SCRシステムを搭載した完成度の高いクリーンディーゼル車を日本市場へ大量投入。ロングツアラーを中心に「大人の賢い選択肢」として再評価されました。

 低回転から力強く湧き上がるトルク、高速道路で伸びる燃費性能、そして日本における軽油の経済性。とくに長距離移動が多いユーザーにとって、ディーゼル車は魅力的な選択肢であり、パワートレインの高効率化が進んだ現在でも、その価値は決して失われていません。

 実際の販売データにもその傾向が表れています。日本自動車販売協会連合会(JADA)の統計によると、2020年度から2025年度にかけて、登録車において、ガソリン車の比率が54.6%から30.5%へ低下し、ハイブリッド車が37.9%から61.1%へと急拡大するなか、ディーゼル車は6.1%から4.5%へ減少したものの、ハイブリッド車への急速なシフトが進むなかでも一定の需要を維持しています。

2026年5月21日に発売開始となった新型「CX-5」。エクステリアはCX-5らしいスタイリングが継続されている
2026年5月21日に発売開始となった新型「CX-5」。エクステリアはCX-5らしいスタイリングが継続されている
テールランプの意匠が変わったが、リアまわりのデザインも先代を踏襲している
テールランプの意匠が変わったが、リアまわりのデザインも先代を踏襲している
HEVが37.9%から61.1%へと急拡大した一方で、ディーゼル車は約5%前後のシェアを維持している(グラフは、日本自動車販売協会連合会のデータをもとに、筆者作成)
HEVが37.9%から61.1%へと急拡大した一方で、ディーゼル車は約5%前後のシェアを維持している(グラフは、日本自動車販売協会連合会のデータをもとに、筆者作成)

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