クルマの価値は速さや燃費だけではない。時代を超えて人々を魅了するモデルには、思わず見とれてしまう美しいデザインがある。1990年代の名スポーツカーから現代のミニバンやEVまで、それぞれの時代を象徴した傑作たちは今なお色あせない存在感を放つ。今回は「眺めるだけでも満足できる」歴代デザインの名車たちを年代ごとに振り返る!
※本稿は2026年5月のものです
文:清水草一/写真:マツダ、日産、ホンダ、トヨタ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年6月10日号
1990年代のヘリテージ
●スバル アルシオーネ SVX
1991年から1996年まで販売された高級スペシャルティクーペ。ジウジアーロがデザインしたボディに240psの3.3L水平対向6気筒エンジンを搭載していた。
●マツダ RX-7
1991年に発売された3代目RX-7はFD3S型の形式から「FD」の愛称で知られる。スポーツカーらしいワイド&ローの流線型スタイリングが特徴。
●ユーノス コスモ
RX-7同様、バブル期のマツダが作り出した傑作クーペ。世界で唯一となる3ローターのロータリーエンジンを設定し、低いノーズのエレガントなスタイリングを実現していた。
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1990年代前半は、まだ国産スポーツ全盛期だった。さまざまな名スポーツカーが登場したが、そのなかで眺めて特に満足度が高いのは、この3台あたりだろう。
SVXはあのジウジアーロデザイン。それだけで昇天だ。FD3S型RX-7は言うまでもなく、国産スポーツカーデザインの最高峰の一台。そっと動態保存しておきたい。コスモに至っては、もし今現存していれば世界遺産モノである。
2000年代のヘリテージ
●マツダ デミオ
2007年に登場した3代目モデル。先代型までの台形スタイルから、スポーティで洗練された躍動感あふれるキャラクターへ変更された。シンプルでスタイリッシュな形状は現在の「魂動」の先駆け。
●日産 キューブ
スクエア形状を先代型から受け継ぎつつも、角を丸めたソフトな雰囲気とした2代目モデル。リアの左右非対称なアシンメトリーデザインを特徴とし、これまでのコンパクトカーの概念を覆した。
●マセラティ クアトロポルテ
5代目モデルは、当時ピニンファリーナに所属していた日本人デザイナーの奥山清行氏がデザインしたラグジュアリーセダン。フェラーリエンジンが奏でる官能サウンドとエレガントなデザインを両立し、高く評価された。
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21世紀に入ると、長引く不況でコンパクトカーの傑作が増えてくる。
デミオは「動」の傑作。これだけ躍動感のあるスポーティなコンパクトハッチはない。1.3Lの5速MTは信じられないほど回頭性がよかった。
一方2代目キューブは「静」の傑作。和ダンスのような質素なたたずまいに涙が出る。
マセラティの5代目クアトロポルテは、ピニンファリーナ在籍中の奥山清行氏の最高傑作だ。
【画像ギャラリー】これぞ日本車の黄金期!! RX-7からアルファードまで美しい名車をまとめてチェック!(16枚)画像ギャラリー2010年代のヘリテージ
●マツダ MAZDA3
ファミリアやアクセラの流れを継ぐ中型ハッチバックモデルで、3種のパワーユニットを設定。ボディサイドのキャラクターラインを排除し、シンプルながら洗練された面の陰影で美しさを表現している。
●ランドローバー レンジローバーイヴォーク
コンパクトな3ドアモデルとして2011年に登場すると、世界的な大ヒットモデルとなった。後方に向かって上昇するサイドラインと後ろ下がりのクーペ風ルーフをデザインの特徴とし、後に5ドアモデルも設定された。
●ホンダ S660
現代版「ビート」と称されたミドシップの軽オープンスポーツ。2015年に発売され、希少なパッケージングとエッジの効いたシャープなフォルムでマニアから高く評価された。
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この頃になると日本の自動車デザインが、欧州のソレに急速に追いつき、追い越して行く。その象徴がマツダ3だ。その超シンプルでありながら超複雑な曲面は、鑑賞するにふさわしい。
欧州の代表選手は、初代イヴォーク。クルマを超えた質感を持ちながら、100%走りを予感させるクルマである。
そしてホンダS660。このクルマは、軽自動車の枠内でランボルギーニを作ることに成功した。



















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