FIAヨーロッパラリー選手権ローマ大会に参戦した新井大輝選手。ついに本番を迎えるも、意図せぬ優遇措置による過密スケジュールに苦しむことに。さらに、主催者側の機器不具合で理不尽なペナルティを科されるなど踏んだり蹴ったり。その生の声をお届けする。
文・写真:新井大輝
【画像ギャラリー】主催者側に振り回された週末 現地で葛藤する新井大輝選手から届いたローマ直送便をご覧あれ(4枚)画像ギャラリー開始早々にドタバタ&理解不能の連発
灼熱のラリーローマがいよいよ始まりました。ヨーロッパ選手権では金曜日にはシェイクダウンと同じステージを使って予選というものが存在します。
というのも予選(クオリファイ)次第でSS1からのスタート順をドライバーが決められるので、ERCのトップカテゴリーへ参戦するドライバーにとっては本番前の超重要なステージになります。
さて、今回私はERCに出場はしているものの、正式にはヨーロッパ選手権に登録していません。今回参戦テストで使用しているダンロップタイヤはまだヨーロッパ選手権で使用できる正式なタイヤではないので、あくまでヨーロッパ選手権の中でもプライオリティなしで参戦していました。
しかしエントリーリストを見るとゼッケン3番手。
「ん!? どういうことだ?」とこの段階で不思議に思っていましたが、どうやら去年のAPRCタイトル獲得によって、FIAのプライオリティが付いているからこのゼッケンになっているという話を聞きました。
実は超ありがた迷惑な話で、実はERC正式エントリーと同等扱いになるとスケジュールやその他の規制がかなりあります。チームも自分もそんなことはつゆ知らずにスタートギリギリまで状況を理解出来ずにいました。
ヨーロッパ選手権の正式登録になると使用する燃料も指定されていて通常より高額なFIA燃料を使用しなければならず、シェイクダウンや予選の時間も大幅に変わってしまいます。ただでさえ予算が厳しいのにこれにFIA燃料代を追加されたらたまったもんじゃありません。
通常であればノンプライオリティ金曜日は13時のシェイクダウンスタートだったはずなのに、急遽金曜日は朝8時からシェイクダウンと予選を義務付けられてしまい参加する羽目になりました。
今回のローマは灼熱のイベントなので、睡眠と水分補給はしっかりしないとすぐ身体がギブアップしてしまいまし。この段階で、今回のラリーはかなりタフなイベントになるのは感じていました。
ポジティブに考えるのであれば、他のトップ選手たちと同じ路面コンディションで勝負できます。そこはFIAプライオリティに与えられた唯一のメリットでした。
曖昧な判断で睡眠不足に
予選のクオリファイは無事にフィニッシュし、120台以上参戦する中では20番手前後のスタートになりました。R5車両なので最新のマシンに対してはどうしても遅れてしまうのは仕方ないことでしたが、可もなく不可も無い順位でスタートできると思って少し嬉しかったです。
金曜日は夜にSS1だけあり、20時から1号車がスタートするコロッセオのステージに向かいました。すると、なぜか今度はノンプライオリティー枠の出走順にされてしまい、スタート時刻は夜の23時なっていました。
一気に3時間以上現地で待ちぼうけで、この時点で朝5時に起きて日中はずっとシェイクダウンやクオリファイで灼熱のマシンの中で過ごしていたのでラリーが始まる前から体力を大幅に削られているのは正直笑えない状況でした(笑)。
4時間睡眠か7時間睡眠で体力回復は天と地ほど違います。正直今まで出てきたWRCイベントよりしんどいのは初めての感覚です。
それに加えて拍車を掛けるように、翌日のスタート順は打って変わってFIAプライオリティの優位性が発動して今度は早朝スタートに。金曜日のSS1が終わって宿に到着して深夜1時。そこから4時間睡眠の状態で翌日土曜日の初日を迎えることになりました。
計らずしも誰よりも早く起きて誰よりも遅く帰るという史上最悪のスケジュールになってしまいました。まさかここまでFIAプライオリティに悪戯をされるとは思ってもいなかったので驚きました。






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