スマートフォンの音声アシスタントといえばSiriやGoogleアシスタントが定番だが、実はクルマの世界にも負けず劣らず優秀な音声操作システムが存在する。それがトヨタの「エージェント(音声対話サービス)」、通称「Hey TOYOTA(ヘイ、トヨタ)」だ。運転中にハンドルから手を離さず、画面にも触れずに様々な操作ができるこの機能、実際にどこまでのことができるのか、そして知る人ぞ知る便利な使い方まで、じっくり紹介していきたい。
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部、トヨタ
【画像ギャラリー】Siriより優秀? Hey TOYOTAで出来る音声操作の実用性が高いぞ!!(5枚)画像ギャラリーまずは「ヘイ、トヨタ」の基本から
エージェントを起動する方法は、ナビ画面のマイクボタンを押す、ステアリングのトークスイッチを押すなど複数用意されているが、最大の特徴は「ヘイ、トヨタ」と話しかけるだけで起動できる点だ。これならハンドルから一切手を離す必要がなく、視線を前方に保ったまま操作できるので、安全面でも大きなメリットがある。
この操作でできることは多岐にわたる。まず基本となるのが目的地検索で、「渋谷のイタリアンに行きたい」「駐車場付きのレストランを探して」といった話しかけ方で、施設のジャンルや条件を指定した検索が可能だ。オーディオ操作では音量調整や選局、ラジオやBluetoothオーディオの操作もでき、ハンズフリーでの電話発信にも対応する。さらにエアコンの操作では、電源のオンオフだけでなく「温度を22度にして」と細かく指定することもできるし、窓の開閉やサンルーフの操作といった車両装備の操作まで音声で完結する。加えて天気やニュースといった情報検索も可能で、目的地を設定していれば目的地先の天気まで教えてくれるという、地味に痒い所に手が届く機能も備えている。
知る人ぞ知る便利な使い方
ここからは、意外と知られていない活用法を紹介したい。
一つ目は、起動ワードそのものをカスタマイズできるという点だ。「ヘイ、トヨタ」という呼びかけが気恥ずかしいと感じる人もいるだろうが、実は設定画面から好きな言葉に変更できる。愛車の車種名や、自分だけのオリジナルワードに変えている人も少なくないようだ。
二つ目は、条件を分割して伝えるというテクニックである。「駐車場付きの渋谷のイタリアンレストラン」のように一度に多くの条件を詰め込むと認識しづらくなることがあるが、「渋谷のイタリアン」→「駐車場付き」というように条件を分けて段階的に伝えると、検索の精度がぐっと上がる。
三つ目は、うまく伝わらないときの奥の手だ。エージェントとの会話がかみ合わない場合、「オペレーター」と発話することで、有人のオペレーターサービスにつなげることができる。機械相手に苦戦しても、最終的には人が対応してくれるという安心感は大きい。
そして最後に、車種によっては運転席と助手席それぞれの天井にマイクが搭載されており、どちらの席から話しかけたかを自動で判別してくれる点も見逃せない。助手席から「窓を少し開けて」と話しかければ、助手席側の窓だけがきちんと開くという芸の細かさも持ち合わせる。
音声認識の精度はどうなのか
肝心の認識精度についても触れておきたい。「大きめの声でハッキリと」「上向きに話す」「エアコンの風量を下げる」「ヘイ、トヨタの後に一拍置いてから続ける」といったコツを押さえれば、認識率は体感的にもかなり高い。
特に、条件を段階的に絞り込んでいく対話形式の検索は、単発のコマンドしか受け付けないシンプルな音声操作に比べて、実用性の面で頭一つ抜けている印象だ。もちろん風切り音や車内の雑音には弱いという弱点はあるものの、正しい発話のコツさえつかめば、かなり実用的なレベルで日常使いできる。
「ヘイ、トヨタ」ことエージェント機能は、目的地検索からエアコン操作、車両装備の操作まで幅広くカバーする、想像以上に守備範囲の広い音声操作システムだ。起動ワードの変更や条件の分割入力、オペレーターへの切り替えといった知る人ぞ知る使い方まで押さえておけば、日々のドライブがぐっと快適になるはず。
まだ試したことがない人は、次のドライブでぜひ「ヘイ、トヨタ」と声をかけてみてほしい。
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