いまや世界各国のコンパクトカーに広く採用されている直列3気筒エンジン。その歴史を振り返るうえで欠かせないのが、1977年11月に登場したダイハツ初代「シャレード」です。「広くて小さい快適な経済車」を掲げ、世界初の量産4サイクル3気筒エンジンと優れた空間設計を実現した初代シャレードの功績を振り返ります。
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:ベストカー編集部、DAIHATSU
【画像ギャラリー】初代が世界初の3気筒を搭載し、時代を先取りした ダイハツ「シャレード」の歴代モデル(11枚)画像ギャラリー「5平米カー」を実現した世界初の量産4サイクル3気筒
1977年11月に登場した、ダイハツの初代「シャレード」。「広くて小さい快適な経済車」という開発コンセプトを掲げ、「快適な広さ、ビッグな走りの機能」「日本の交通環境に適したコンパクトさ」「国情・時代に適合した低燃費、省資源」という設計思想をベースに商品化されたモデルです。
とくにこだわったのが、車両の平面投影面積を約5平米に抑える「5平米カー」という目標。当時の国内の登録車ではごく一部のモデルに限られた小ささに収めながら、大人5人が乗れる室内を確保することで、快適性と経済性を両立させていました。
これらを実現するうえで、重要な役割を担ったのがエンジンでした。初代シャレードに搭載されたのは、4輪乗用車として世界初となる量産4サイクル直列3気筒エンジン「CB型」。当時は1973年の第1次オイルショックを経て、省資源と省エネルギーが強く求められるようになった時代。ダイハツは、排気量約1000ccのエンジンに最適な気筒数を検討し、導き出されたのが、1気筒あたり約330ccとなる3気筒でした。
3気筒は4気筒よりも部品点数が少なく、エンジンを小さく、軽くできるという利点もあります。これを横置きすることでエンジンルームを小さくし、そのぶん室内を広げることもできました。
しかしながら、3気筒は振動が大きくなりやすく、4サイクルの乗用車用エンジンとして当時は前例のない構成。この課題を克服するため、ダイハツはバランスシャフトを採用するとともに、ダッシュパネルやフロントフロアなど、車体各部に防音・防振対策を実施。カタログで振動レベルについて「4気筒、V型6気筒エンジンに勝る」と掲げるほど、振動を抑え込んだのです。
こうして開発されたCB型エンジンは、最高出力55PS/5500rpm、最大トルク7.8kg-m/2800rpmを発生。低回転域から力を引き出す実用重視の特性と、665kgという軽い車重が組み合わさり、初代シャレードは軽快な加速を実現しました。のちには、高回転域の性能を高めた最高出力60PS仕様も加わっています。
燃費は10モードで19km/L、60km/h定地走行では28km/Lを達成。希薄燃焼方式「DECS-L」の採用によって、厳しかった昭和53年排出ガス規制にも対応しました。燃料消費を抑えながら、走行性能や室内の広さも諦めない。そのために選ばれた3気筒エンジンだったのです。













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