イヴァン・エスピノーサ氏が日産のCEOに就任してから一年が過ぎ、再建計画も徐々に軌道に乗りつつある。そんななか、エスピノーサCEOと会見の機会をいただいたジャーナリスト軍団がシンプルな質問をぶつけてみた。CEOの回答は!?
※本稿は2026年6月のものです
文:鈴木直也、ピーター・ライオン/写真:日産、鈴木直也、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年7月10日号
ジャーナリストが聞いた「日産のこれから」と「日産のあの時」
岡崎五郎:スマートフォンで大抵のことができる時代に、クルマでしかできないAI・SDVの価値とは何か? お客さんはそれにお金を払うのか?
エスピノーサ:自動運転が普及すれば、移動中の時間が自分の時間として使えるようになる。「時は金なり」の観点で、時間の価値をどう金銭換算するかが重要。
また、AIプラットフォームと連携してユーザーデータをクルマが把握することで、オーダーメイドな操作が可能になる。実際、中国ではすでに音声認識が主流で使いやすさを競っている。
諸星陽一:2025年、ホンダとの提携が破談になったが、もし統合していたらどうなっていたか?
エスピノーサ:当時わたしは商品企画担当としてホンダとの協業プロジェクトには携わっていたが、提携交渉には直接関与していない。したがって詳細な交渉内容を知らないまま決裂し、その数カ月後に社長に就任という時系列。
ホンダの現状については、相手が誰であれ悪いことが起きるのは残念。当社も一年前には厳しい状況を経験しており、経営の難しさは充分わかっている。
ノートとセレナの間を埋める「なにか」を
鈴木直也:はじめに、シルビアのようなお手頃価格のスポーツカーを作る可能性はあるか? そして、ノートとセレナの間を埋める手頃なファミリーカーは作れるか?
エスピノーサ:まず2番目の質問から。ノートとセレナの間にギャップがあるのは認識しているが、このセグメントは日本国内固有の市場であり、他市場と台数を共有できないため収益成立が難しい。また、今さら他社と同じものを出しても「パーティーに遅れて参加するだけ」になってしまう。
ただし、何か投入することは絶対に必要。独自性・先進性のある日産らしいクルマにすることが重要だ。
シルビアについては個人的に強い思いがある。また、クルマ好きの若いユーザーがそういった車種を求めていることもよく理解している。わたしの理想としては、GT-R、Z、シルビアの3車種を日産のスポーツカーラインに揃えたい。しかし採算性という意味で、シルビアにはもう少し時間が必要だ。
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