狭い道でも取り回しがよく使いやすいコンパクトカーはいつの時代も人気。販売台数トップはトヨタ アクアで、以下、2位にヤリス、3位にフィットが続く。アクアのトップの理由と、ヤリス&フィットがトップとなるための条件とは?
※本稿は2026年6月のものです
文:まるも亜希子/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年7月26日号
※各車の販売台数は2026年1~4月の累計です
なぜアクアはこれほどウケているのか?
●価格:248万6000~302万2800円 納期:2カ月
初代は低燃費世界一でガンガン走れるコンパクトハッチとして、主にシングル世代の男性の足グルマ兼遊びグルマとして大ヒット。
2代目はヤリスにその路線を譲り、柔和で落ち着いたデザインや広い後席スペースで実用性を向上させ、ママ+子どもやファミリーをターゲットとしたコンパクトに。でも時代はすでに、スライドドアの軽自動車がその役割を担っていたんです。
そこで2025年の改良で、アクアはプリウス系のハンマーヘッド顔に大変身! ジェンダーレスなデザインと、パワフルな走り&充実した装備で復活を遂げています。
2位&3位の逆転に求められるポイント
●ヤリスの魅力
ガソリンとハイブリッド、CVTとMT、FFとE-Fourの多彩なラインナップ。後席や荷室を割り切ってまで“走りのいいコンパクト”を全身で表したデザイン。コネクテッド機能も使いやすい。
コンパクトハッチ全体の傾向として、ひと昔前までは走りのよさ、燃費のよさ、小回り性能のよさがありながら、ファミリーカーとしても使えるマルチな実力が求められていましたが、すでにその役割はスーパーハイトワゴン軽に奪われていると言っていいでしょう。
唯一、スーパーハイトワゴン軽が、おそらくこの先もコンパクトハッチに勝てないだろうというところは、やはり「スポーティな走り」と「上質感」。
なので、先のマイナーチェンジでアクアが上質路線に舵を切ったのは正しいし、一方のヤリスはスポーティ路線をより強調することで1位となる可能性は高いのではと感じています。
●フィットの魅力
遠くも近くも見やすいパノラマ視界で運転しやすく、シームレスで気持ちのいいe:HEVの走り。ホンダセンシングによる充実の安全装備と、広々室内で座面チップアップもできる豊富なシートアレンジもGOOD。
その点、心配なのはフィットです。2モーターハイブリッド「e:HEV」の走りを鍛えるプロジェクトで、エンジニア自ら耐久レースに参戦し、実践から磨き上げて量産モデルに反映した「RS」が復活し、瞬間風速的には販売も持ち直したと思います。
しかし、もともと現行フィットは「多彩なキャラ」を売りにして登場しただけに、イメージが分散してしまったままここまできている感があります。しかも販売店に行けば、なんでもできてブランド力があるN-BOXがいる……。
フィットはもう一度、N-BOXとフリードの間を埋める、ステップアップ客を掴まなければならないという役割の現在地を見つめ直したうえでの販売戦略のテコ入れが必要ではないでしょうか。クルマ自体は非常にいいデキなんだから、適切な販売戦略でかつての輝きを取り戻してほしいです。
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