「車両保険に入っているから自己負担はゼロ」と思っていないだろうか。実は、自動車保険には「免責」という仕組みがあり、事故の内容や契約条件によっては修理費の一部を自分で負担しなければならないケースがある。さらに、示談交渉サービスが利用できない場合も。意外と知られていない免責制度の仕組みと注意点を分かりやすく解説する。
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(メイン画像=Olga Ко)
【画像ギャラリー】知らないと損するかも!! 自動車保険の免責をわかりやすく紹介(8枚)画像ギャラリー自動車保険における免責の仕組み
免責とは、事故が起きた際に契約者があらかじめ負担すると決められている金額や条件のことです。例えば、車両保険の免責金額が5万円に設定されている場合、修理費用が20万円であれば、保険会社から支払われるのは15万円となり、残り5万円は契約者が負担します。
免責を設定すると保険会社が負担する金額が少なくなるため、その分、保険料を抑えられますが、一方で、免責の内容を理解していないと、保険に加入しているから自己負担はないと思い込み、事故後に戸惑う原因にもなるのです。
飛び石事故で見えてきた免責の落とし穴
Bさんは、高速道路を走行中、前方のクルマが跳ね上げた飛び石によってフロントガラスが損傷しました。交換費用は約10万円。当初は、車両保険で修理できると思っていましたが、契約内容を確認すると、エコノミー型車両保険で免責金額5万円が設定されていたため、5万円は自己負担となってしまうことが判明します。
Bさんは「自分が悪いわけではないのに免責になるんですね」と驚いたそうです。
飛び石事故は、相手車両を特定できないケースも多く、一般的には車両保険を利用して修理します。しかし、事故の原因が自分になくても、契約内容によっては免責が適用されるのです。
また、車両保険には「車対車免ゼロ特約」を付帯できる契約があります。この特約は、相手が確認できるクルマ同士の事故では、1回目の事故に限り免責が0円になる仕組みです。しかし、飛び石や台風による飛来物、落石、野生動物との衝突など、相手車両がない、または特定できない事故では対象外となることが多く、契約内容によって免責が適用されます。
免責は、事故の責任ではなく、契約条件によって決まる仕組みであることを理解しておくことが重要です。
【画像ギャラリー】知らないと損するかも!! 自動車保険の免責をわかりやすく紹介(8枚)画像ギャラリー対物免責契約では保険会社が示談交渉できないこともある
免責が設定できるのは車両保険だけではありません。契約内容によっては、対物賠償保険にも免責金額が設定されている場合があります。
この場合、特に注意したいのが示談交渉サービスです。保険会社は通常、対物事故では契約者に代わって相手方との示談交渉を行います。しかし、賠償額が免責金額以下で保険会社から保険金が支払われない場合には、示談交渉サービスを利用できないケースがあります。
つまり、「保険に加入しているから示談も任せられる」と思っていても、契約内容によっては契約者自身が相手方と交渉しなければならないこともあるのです。











コメント
コメントの使い方