東京都港区を300円だけで観光し放題だと? バス好きにはたまらないコミュバスでの観光旅行

東京都港区を300円だけで観光し放題だと? バス好きにはたまらないコミュバスでの観光旅行

 大都市圏内を走行するコミュニティバスについて、東京都港区の「ちぃばす」について記事を書いた。その際は上京した観光客がまず見たい東京タワーを見るスポットをちぃばすで追いかけた。今回はそれ以外にの魅力ある地について「ちぃばす」に乗っての港区散策をお届けする。

文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■赤坂ルート

赤坂ルートは日野ポンチョで運行
赤坂ルートは日野ポンチョで運行

 まずは旅の安全を祈って神社参拝だ。これには全8路線のうち赤坂ルートを使う。実は港区に神社は約50ヶ社、寺院は約280ヶ寺もあり意外にも多い。これには歴史的な背景があり、東海道として江戸への入口にあたる当地は要所とされ、多くの寺社が建立されてきたという。

乃木坂を下る赤坂ルートのバス
乃木坂を下る赤坂ルートのバス

 江戸時代には大名屋敷が多数設けられ、それらがやがてお屋敷や大使館へと変化していった。そして赤坂ルートの停留所からは出雲大社 東京分祠、豊川稲荷東京別院、赤坂氷川神社、乃木神社、六本木天祖神社がバス停から徒歩圏内なので比較的短い時間で効率よく回ることができる。

乃木公園バス停が乃木神社の最寄り
乃木公園バス停が乃木神社の最寄り

 バスルートとしては一方方向で反時計周りしかないため、行き来するには注意が必要だが初便から30分おきに運行されるダイヤであるため、その点では非常に分かりやすい。今回は乃木神社を参拝した。最寄りのバス停は「乃木公園」で、歩道を歩いた先にある階段を下りるとすぐ目の前に乃木神社の鳥居が見えてくる。

■乃木神社

もはや聖地と化している乃木神社
もはや聖地と化している乃木神社

 乃木神社は乃木希典(乃木希典命)と、その妻である乃木静子(乃木静子命)を祀る神社で、明治時代の実在の人物なので、その建立は近代である。1912年(明治45年)7月30日に崩御した明治天皇の大喪儀当日に乃木夫妻が天皇に殉じて自刃した。乃木夫妻の忠誠心に感激した当時の国民は次々と乃木邸を訪れたという。

乃木神社の由緒書き
乃木神社の由緒書き

 乃木邸近くにある当時「幽霊坂」と呼ばれていた坂の名前も乃木夫妻の葬儀に合わせて「乃木坂」に改められた。翌1913年(大正2年)には阪谷芳郎東京市長(当時)が中心となり中央乃木会を設立し、乃木邸内に乃木夫妻の霊を祀った。その後1923年(大正12年)11月1日に現在の場所に乃木神社が創建され鎮座祭が行われた。

千代田線乃木坂駅出口の横が参道
千代田線乃木坂駅出口の横が参道

 当時の本殿などは空襲により焼失したが、1962年(昭和37年)に御祭神50年祭に合わせて本殿・幣殿・拝殿が復興された。この日は時折参拝者はあるものの静かな境内でゆっくりと参拝できた。ちなみに現在においてはアイドルグループの「乃木坂46」と関わりがあるようで、CDのヒット祈願や成人したメンバーの成人式が行われているそうだ。

記念撮影場所もあるので参拝記念にいかが?
記念撮影場所もあるので参拝記念にいかが?

 境内には多くのメンバーの書いた絵馬が奉納され、ファンの聖地にもなっている。さすがにどれがそうなのかは筆者は分からなかったが、良席をお願いする絵馬も多く見かけたのでライブの前に訪れてみてはいかがだろうか。

普段は閑静な神社境内
普段は閑静な神社境内

■芝浦港南ルート

赤坂ルートのラインカラーはグリーンだ!
赤坂ルートのラインカラーはグリーンだ!

 続いては港区という名に従い海を見に行く。「ちぃばす」は湾岸沿いにも路線があり、芝浦港南ルートに乗車すると東京湾を望むことが可能だ。芝浦港南ルートは品川駅港南口を出発して芝浦地区を走り、田町駅東口を経由して日の出桟橋、竹芝桟橋を結んでいる。

六本木駅前から田町ルートに乗り継ぐ
六本木駅前から田町ルートに乗り継ぐ

 乃木神社を参拝したあとに赤坂ルートで「六本木駅前」バス停までやってきた筆者は、ここから少し歩いた場所にある田町ルートの「六本木駅前」バス停から田町ルートに乗車した。ここまでは小型の日野ポンチョが主役であったが今度は中型の車両がやってきた。

田町ルートの見どころの一つは鳥居坂を下るところ
田町ルートの見どころの一つは鳥居坂を下るところ

 車内の座席は半分ほどが埋まっていただろうか、ゆったりとした雰囲気で移動を開始した。ここから終点の田町駅東口までの20分を港区の繁華街を眺めながらバスは進んでいく。田町駅東口は芝浦地区が近いこともあり、店舗というよりかは大きな倉庫が並ぶ港湾地区の風景が広がっている。次はここから芝浦港南ルートに乗り換える。

田町駅東口で芝浦港南ルートに乗り継ぐ
田町駅東口で芝浦港南ルートに乗り継ぐ

 降車したバス停から道路を挟んで反対側が乗車するバス停となるので、横断歩道を使って移動した。できれば降りた所にバス停を設置してもらえるといいのだが、降車場と他2ルートのバス停が共用しているので狭いロータリー内でバス停補確保するとなると、ここしかなかったのだろう。

終点の竹芝桟橋入口で折り返しを待つ芝浦港南ルートのバス
終点の竹芝桟橋入口で折り返しを待つ芝浦港南ルートのバス

 しばらく待っているとバスがやってきた。田町駅東口で降車する人が多かったようで、車内は数人が残るくらいだった。定刻で出発したバスは芝浦地区をあちこち経由して走行していく。路線図を見るとエリアをぐるぐると走行していて細かく回っている印象を受ける。田町駅東口から終点の竹芝桟橋入口までの直線距離としては大して離れていないが、乗車すると30分近くもかかる。時間優先で考えると並走するJR線やゆりかもめ等を選んでしまうそうだ。

竹芝桟橋入口は都営バスとの共用停留所
竹芝桟橋入口は都営バスとの共用停留所

 終点の「竹芝桟橋入口」バス停では筆者を含めて3人ほどが降りた。バスはここで「品川駅港南口」行きに変わるのだが、乗務員の休憩もあるのだろうか「回送」表示になっていた。また都営バスとの共用バス停で乗り換えることも可能だが、都営も「品川駅港南口」行きである。

東海汽船の橘丸
東海汽船の橘丸

 筆者は徒歩で竹芝桟橋を見に行くことにした。伊豆・小笠原諸島に向かう玄関口となっており貨客船やジェット船が結んでいる。時間を調べすに来たので恐らく出航時間までかなり間があるのだろう、フェリーターミナルに人影はほとんどなく店舗も閉鎖されていた。ターミナルの外へ出てボードウォークと呼ばれる臨港広場に向かうと大型客船の橘丸が停泊していた。

竹芝桟橋入口~田町駅東口間の便数は毎時2本と少ない
竹芝桟橋入口~田町駅東口間の便数は毎時2本と少ない

 調べてみると東海汽船所属の船で、東京~三宅島・御蔵島・八丈島航路に就航しているそうだ。その向こうにはレインボーブリッジが見え、広場にいる人がスマホやカメラで撮影をしている様子が見られた。気軽に訪れることが可能なので気分転換に東京湾を眺める選択はアリだ。

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