BYDの新型軽EV「RACCO」が、2026年7月28日の発売からわずか2週間で累計受注1000台を突破した。なぜ今、BYDの軽EVにこれほど注目が集まるのか。販売比率や購入動向から、その人気の理由を探る。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
軽EVの本命になる!? BYD「RACCO」が異例の受注ペース
BYD Auto Japanが2026年7月28日に発表・発売した新型軽EV「BYD RACCO(ラッコ)」が、発売から2週間で累計受注1000台を突破した。BYDによれば、日本導入モデルとしては過去最速のペースだという。
EV市場では、軽自動車ならではの取り回しや維持のしやすさと、電動車の使い勝手をどう両立させるかが大きなポイントになる。そのなかでRACCOが打ち出したのが、日本の軽乗用車で人気の高い「スーパートール」タイプと「両側電動スライドドア」の組み合わせだ。
つまりRACCOは、単に「小さなEV」を作ったのではない。日本のユーザーが日常的に使いやすい軽自動車のパッケージに、EVならではの価値を組み合わせたモデルなのである。
BYDは、RACCOについて「日本の軽乗用車の中でもっとも人気の高い車形」をEVで実現したとしている。軽自動車を選ぶ際に重視される室内の使い勝手や乗降性などを意識した商品設計が、今回の受注実績につながっていると考えられる。
さらに興味深いのが、実際に注文したユーザーのグレード選択だ。販売比率を見ると、最上級グレードの「RACCO 300Premium」が80.0%と圧倒的。続いて「RACCO 300Plus」が14.0%、「RACCO 200」が6.0%となっている。
せっかくEVを選ぶなら、装備や性能にもこだわりたい。そんなユーザー心理が数字からも見えてくる。価格だけを抑えたモデルに注文が集中しているわけではなく、最上級グレードを選ぶユーザーが大多数を占めている点は注目したい。
新規購入だけではない「増車」が37.5%
もうひとつ、RACCOの受注動向で面白いのが購入形態だ。初期購入客へのアンケートによれば、「新規」が26.8%、「入替」が35.7%、そして「増車」が37.5%。もっとも多かったのが、すでにクルマを所有していてRACCOを新たに加える「増車」だった。
これは、RACCOが既存のクルマを完全に置き換える存在としてだけでなく、日常の足としてもう1台導入する選択肢としても見られていることを示している。
EVでは自宅充電の環境も気になるところだが、調査では55.4%が「自宅にEV用充電設備がある」と回答。一方、「ない」は43.0%、無回答は1.6%だった。
すでに充電環境を持つユーザーが半数以上いる一方、設備がないユーザーも4割を超えている。今後、RACCOの普及が進めば、自宅充電環境をどう整えるかという点も、軽EVを選ぶ際の重要なテーマになりそうだ。
そしてBYDがRACCOでアピールするのが「3つのラッコ楽」である。
ひとつ目は、一般車両保証に加えてバッテリーや高電圧部品なども対象とする「ロングラン新車保証」。有償保証では、電池容量の保証期間を10年/20万kmまで延長できる。
ふたつ目は据置型ローン「RACCO 楽っとプラン」。RACCO 200を例に、メーカー希望小売価格214万5000円、頭金・ボーナス払いともに0円、5年50%のプランを利用し、CEV補助金15万円を60回に分割してローン月額から控除した場合、実質月額1万9300円からとしている。
ただし、これは一定条件に基づく支払い例であり、残価が支払い期間終了後に保証されるものではない点には注意が必要だ。
そして3つ目が、BYDが「世界初」とするSDV(Software Defined Vehicle)への対応。OTA(Over The Air)によってソフトウェアを更新し、常に最新モデルと同じソフトウェアにアップデートできるとしている。
クルマの価値が「エンジンやボディ」といったハードウェアだけで決まらなくなりつつあるなか、ソフトウェアによって機能を進化させていく考え方は、RACCOの大きな特徴といえるだろう。
発売からわずか2週間で1000台という数字は、軽EVに対するユーザーの関心の高さを改めて示すものだ。特に「スーパートール」「両側電動スライドドア」という日本市場に馴染み深い軽自動車のスタイルにEVを組み合わせたことは、RACCOを理解するうえで重要なポイントである。
もっとも、EVは購入価格だけでなく、充電環境や日常の走行距離、利用スタイルとの相性も含めて選びたい。RACCOが気になる人は、まず販売店で実車を確認し、試乗して自分の使い方に合うかを確かめるのがよいだろう。
「軽EVはまだ早い」と考えていた人にとっても、RACCOの受注1000台突破は気になるニュースだ。日本の軽自動車市場にEVがどこまで食い込めるのか、今後の販売動向にも注目したい。
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