普段は64psで穏やかに走る小型EVが、ステアリングのボタンひとつで95psへ変身! スーパーワン専用のBOOST(ブースト)モードは、最高出力を高めるだけの機能ではない。加速、変速感、サウンド、メーター表示まで連動させ、ドライバーの五感を刺激する“全部盛り”の走行モードだ。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】いずれはB16Aサウンドの復活も期待したいスーパーワン、意外と黄色もカッコイイぞ!!!! (13枚)画像ギャラリー同じモーターに隠れていた31psを解放
スーパーワンは、N-ONE e:やN-VAN e:と同じe-Axleとバッテリーパックを採用する。N-ONE e:では軽自動車の出力枠に合わせて最高出力を47kW(64ps)に制限しているが、モーター自体にはそれ以上の性能が秘められていた。
そこで軽自動車規格を飛び出したスーパーワンは、普段の最高出力を47kWに抑えつつ、BOOSTモード選択時には70kW(95ps)まで解放。31ps増し、約1.5倍の最高出力を引き出す。
操作はステアリングにある専用スイッチを押すだけ。アクセルを踏み込めば、EVらしい瞬発力に加えて高速域でも力強い加速が味わえる。日常では扱いやすい64ps、走りたい場面では95psという使い分けだ。
大型モーターや大容量バッテリーへ交換しなかった点も面白い。パワーアップと引き換えに車重が増えれば、スーパーワンが狙う軽快感が失われる。そこで既存のハードウェアを生かし、車重、航続距離、作動可能時間、耐久性を検討したうえで70kWという出力に決めた。1090kgの軽量ボディを守りながら刺激を上乗せした、実にホンダらしい発想だ。
音、変速感、光まで一斉にBOOSTする!
BOOSTモードの本領は、単なるパワーアップにとどまらない。仮想有段シフト制御が7つのギアを作り出し、モータートルクを瞬間的に変化させて変速時のGまで演出。パドルによるマニュアル操作、シフトダウン時のブリッピング、レブリミッター風のトルクカットも楽しめる。
アクティブサウンドコントロールも連動する。仮想エンジン回転数に合わせ、スポーティな直列4気筒エンジンを思わせる音が車内に響く。音色の参考にしたのは、シティ ターボIIやDC2型インテグラ タイプRだというから泣かせる。
さらにメーターとインパネのイルミネーションは青から紫へ変化。中央の瞬間電費計が仮想タコメーターへ切り替わり、加速アニメーションも表示される。押した瞬間、室内の空気まで変わる仕掛けだ。
絶対的な速さだけなら、さらに高出力なEVはいくらでもある。しかしスーパーワンが目指したのは、日常の道で使い切れる速さと操る楽しさ。64psから95psへ切り替わる31psは、数字以上にドライバーを高揚させる31psなのだ。
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