大容量バッテリーを積むEVは、どうしても重くなりがち。ところがスーパーワンの車両重量は1090kgに収まる。ホンダは2026年5月時点で小型EVクラス最軽量としており、この軽さこそ走りの主役だ。加速だけでなく、曲がる、止まる、切り返すという基本動作にどう効くのか。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】アンダースポイラー&オーバーフェンダーの無限か、ブルドックロゴ&フォグライトのアクセスか!? スーパーワンのカッコ良すぎるカスタムがコレ!(9枚)画像ギャラリー大型モーターと大容量バッテリーをあえて積まない
スーパーワンには29.6kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載される。全幅1575mmの登録車で、ワイドタイヤや専用スポーツシート、BOSEプレミアムサウンドシステムなども備えながら1090kg。この数字は確かに軽い。
軽量化の土台となったのが、N-ONE e:などで使われるNシリーズのプラットフォームだ。e-AxleとバッテリーパックもN-ONE e:やN-VAN e:と共用する。
高性能車なら、大型モーターとさらに大きなバッテリーを積む方法もある。しかし、それでは車重が大幅に増えてしまう。ホンダは軽快感を優先し、既存モーターに秘められた性能を制御によって引き出す方法を選んだ。
通常モードの最高出力は47kWだが、BOOSTモードでは70kWまで高まる。重いパワーユニットを追加するのではなく、軽い車体へ必要な時だけ約1.5倍の最高出力を与える設計だ。車体が軽ければ、同じ力でも加速させやすい。瞬発力が魅力のモーターと軽量ボディは、相性抜群なのである。
軽いだけでなく低く、ワイドなのが効く
1090kgの恩恵は直線加速だけではない。軽いクルマは、ステアリングを切った時に向きを変えやすく、ブレーキにも余計な負担をかけにくい。左右へ連続して切り返すような道では、重いEVとの違いが特に表れやすい。
さらに重量物の薄型バッテリーを車体中央の床下へ配置。重心を低くするとともに、前後重量の集中も抑えている。単に車重を削るだけでなく、重い部品を低い位置へ置いたことが安定感につながった。
足まわりも軽さを生かす専用設計だ。トレッドはN-ONE e:から40mm拡大した1345mm。185/55R15タイヤとの組み合わせにより、旋回時や高速走行時の踏ん張りを確保した。軽量、低重心、ワイドトレッドという3つの要素がそろい、キレのあるハンドリングを作り出している。
もちろんスーパーワンは、サーキットのタイムを競うためのEVではない。狙ったのは一般道で使い切れる速さと軽快感だ。EVの弱点になりがちな重量を抑え、モーターの長所である鋭い応答を引き立てる。1090kgは単なるカタログ数値ではなく、スーパーワンの楽しさを成立させる根幹なのである。
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