かつて国内で誕生し、半世紀近くにわたり走り続けた伝説のオフローダーがあった!! まさに無骨そのもののスタイルでありながら、なぜこれほど長きにわたって愛され、異例のロングセラーを記録することができたのか!? 最初期に取られた驚きの生産方式から、四輪駆動王国三菱の礎を築くに至った歴史の裏側を徹底追究する!
文:小鮒康一/写真:三菱
【画像ギャラリー】まるで間違い探し!? 三菱 ジープ5タイプのバリエーションをイッキ見!(14枚)画像ギャラリーえ、このジープ、三菱製なの!?
ジープといえば現在はステランティスが保有するブランドで、ラギットな雰囲気をまとったラングラーなどで知られるが、実は過去には三菱がジープを販売していたことをご存知だろうか?
この三菱が販売するジープとは、三菱ディーラーでジープブランドの車両を販売していたというワケではなく、ジープブランドの祖でもあるウィリス・オーバーランド社が製造していたモデルを三菱がノックダウン生産していたもので、見た目は完全に往年のジープだったのだ。
100%ノックダウン生産から100%国産へ
三菱はジープのライセンスを1952年に取得し、1953年から国内での製造をスタート。ノックダウン生産というのは車両の部品をメーカー(今回はウィリス社)から供給してもらい、組み立てのみを自社で行うというもので、当初は名称こそ三菱ジープだったが、車両に三菱のエンブレムは備わっていなかったのだ。
しかし徐々に国内での部品調達率を高めていき、1956年には早々に全ての部品を国内で生産することに成功し、徐々にバリエーションも増えていった。
当初は当時の防衛庁や林野庁といった官公庁がメインユーザーとなっていたが、1975年8月に2Lのガソリンエンジンを搭載した4ナンバーモデルを追加してからは個人ユーザーも徐々に増え始め、最盛期の1981年初頭頃には異なるホイールベースやボディタイプ、搭載エンジンなど5タイプ16車種のワイドバリエーションを誇るまでに進化していた。
受け継がれる三菱 ジープのDNA
ただ1982年5月にはジープの生産で得た知見を活かしてパジェロが登場しており、個人ユーザーの多くはそちらに流れることになったが、堅牢でシンプルな作りのジープには業務用途として高い信頼を得ており、バリエーションをショートホイールベースのソフトトップモデルのみに絞りながらも継続販売が続けられた。
その後は搭載するエンジンを変更するなど、最小限の改良を加えながら、なんと1998年まで生産が続けられ、生産終了が決定した同年6月には「最終生産記念車」が300台限定でリリースされている。
結局、三菱ジープは生産終了までに20万台超が生産されることとなり、現在に続く三菱のSUVモデルの礎となったということは間違いないだろう。
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