国産ミドルSUVの本命を争う日産エクストレイルとトヨタRAV4。どちらも電動4WDを用意するが、その仕組みと狙いは大きく異なる。前後モーターを緻密に操るe-4ORCEか、燃費、荷室、アウトドア性能をバランスよくまとめたE-Fourか。家族目線で2台を比べてみよう。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】エクストレイルと新型RAV4の走行ショットをイッキ見!(10枚)画像ギャラリーモーターで走り切るエクストレイルの上質感
エクストレイルの4WD車は、第2世代e-POWERとe-4ORCEを組み合わせる。1.5L VCターボエンジンは基本的に発電を担当し、タイヤを駆動するのは前後のモーター。アクセルを踏んだ瞬間から反応し、変速ショックのない滑らかな加速を味わえる。
e-4ORCEは前後モーターの駆動力だけでなく、回生ブレーキと左右のブレーキも統合制御する。滑りやすい路面で安定性を高めるのはもちろん、カーブでは後輪の駆動力を活用して自然に旋回。減速時には前後方向の揺れを抑え、同乗者が感じる不快な“カックン”も軽減する。
雪道のためだけではなく、街中や高速道路でも乗り心地を整えてくれる4WDなのだ。静粛性も高く、電動車らしい上質感ではエクストレイルが優位に立つ。
ボディサイズは全長4690mm、全幅1840mm、全高1720mm。広い後席を持ち、X e-4ORCEでは3列7人乗りも選べる。普段は5人、いざというときは7人という使い方ができるのもポイントだ。
価格と装備のバランスがいいのは、434万9400円のX e-4ORCE。プロパイロット、12.3インチメーター、運転席パワーシート、ステアリングヒーターなどを標準装備する。運転の滑らかさや長距離移動の快適性を重視するなら、エクストレイルはかなり強い。
燃費と荷室、選択肢の広さで攻めるRAV4
RAV4のハイブリッド4WDは、2.5Lエンジンと前後モーターを組み合わせたE-Fourを採用する。エンジンを発電だけでなくタイヤの駆動にも使い、高速走行時の効率を引き上げる方式だ。
モーターだけで走っているような一体感ではエクストレイルに譲るものの、力強いエンジンとモーターを使い分け、燃費と動力性能を高い水準で両立する。後輪をモーターで駆動するためプロペラシャフトがなく、広い室内や荷室を確保しやすい点もE-Fourの利点だ。
RAV4の武器は、その万能性。スクエアな荷室は大きなキャンプ道具や自転車を積みやすく、汚れやキズをあまり気にせず使えるタフな雰囲気もある。3列シートは選べないが、5人乗りSUVとして荷物をたっぷり載せるならRAV4が有利だ。
さらに、通常のハイブリッドに加えてPHEVも用意する。自宅で充電できるなら、近距離を電気中心で走り、遠出ではエンジンを使うことが可能。日常からアウトドアまで、使い方に合わせてパワートレーンを選べるのは大きな強みとなる。
ボディは仕様によって異なるが、Zの全幅は1855mm。エクストレイルより15mm広く、狭い住宅街や駐車場では少し気を使う。一方、高い最低地上高や悪路向け制御を備え、キャンプ場、雪道、未舗装路へ気兼ねなく入っていける安心感がある。
結論として、静かで滑らかな走り、後席の快適性、3列シートを重視するならエクストレイル。燃費、荷室、アウトドア性能、PHEVまで含めた選択肢の広さを求めるならRAV4だ。
運転するたびに電動4WDの巧みさを感じられるエクストレイルと、どんな用途にも対応しやすいRAV4。走りの質を選ぶか、SUVとしての万能性を選ぶか。それが2台を決める最大の分かれ道だ。
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