一時代を築いたどころか、ライバルを寄せつけない圧倒的な強さを誇ったクルマたち。なぜ、そのモデルだけが売れ、支持され、カテゴリーを支配することができたのか? 各モデルが生き抜いた時代背景なども含めて、その理由を今一度紐解いていく。
文:FK/写真:スバル、トヨタ、日産、CarsWp.com
【画像ギャラリー】売れすぎてライバル涙目!?(16枚)画像ギャラリーホスピタリティを徹底追求したスペックが吉と出たトヨタのアルファード
“高級ミニバン”というカテゴリーを開拓したのは、1997年にデビューしたエルグランドであることに異論はないだろう。
そのエルグランドは、2026年7月に行われた16年ぶりのフルモデルチェンジが話題になっているが、今や高級ミニバンの代名詞的存在といえばアルファードという図式が定着している。
グランビアやレジアスなど既存の4モデルを統合し、2002年5月に初代モデルがデビューしたアルファード。
エスティマ用の前輪駆動プラットフォームを流用し、その上にひと回り大きいボディを架装したアルファードのシートは3列配置とされ、2/2/3の7名乗りと2/3/3の8名乗りの2種が設定された。
エンジンはV型6気筒DOHC 24バルブの2994ccと直列4気筒DOHC 16バルブの2362ccの2種類。駆動形式はFF、またはビスカスカップリング式センターデフ付フルタイム4WDで上級グレードのサスペンションにはセミアクティブ制御のH∞TEMSを装備して高い旋回性能と快適な走りを両立。
トヨタがミニバンのフラッグシップを目指すべく世に送り出した最上級ミニバンとあって、デビューイヤーの2002年の販売台数は5万3428台でエルグランドの4万439台を大きく上回った。
それ以降、高級ミニバンの代名詞的存在となったアルファード。
どちらかといえば快適性を重視した高級感溢れる仕上がりだったアルファードに対して、エルグランドは快適性や高級感はありつつも走りを重視した仕上がりでキャラクターも異なっていた。
しかし、2000年代以降に訪れたスポーツカーの需要縮小や家族と過ごす時間を大切にするライフスタイルが定着したことなどを考えると、アルファードに軍配が上がったことは自然の流れだったのかもしれない。
2023年にデビューした現行の4代目もセールスは好調で、一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表する乗用車ブランド通称名別順位では2023年が17位、2024年が8位、2025年が7位、2026年上半期も8位と安定した人気を保っている。
トヨタのハイエースはオン・オフ使えてカスタムベースにもなる素性の良さが魅力
日本はもとより、アジア・中近東・オセアニア・アフリカ・中南米など世界各国で愛され続けているハイエース。
1967年10月にキャブオーバータイプの乗用車・商用車としてデビューして以来、優れた耐久性や信頼性、さらには広い室内空間や優れたユーティリティ性などが高く評価されている箱バンの絶対王者であり、現行モデルの200系と呼ばれる5代目は街中のそこかしこで目にすることもしばしば。
しかし、なぜハイエースがここまで愛され続けるのかといえば、その高い汎用性にある。
ハイエースは大きく分けるとバン、ワゴン、コミューターの3種類がある。
荷物や人を運ぶ“仕事グルマ”という側面がある一方で、アウトドアやキャンプのお供として、さらにはカスタムのベース車両としての需要もきわめて高く、まさに引く手あまたの存在なのだ。
そこからすでに22年を迎えようとしている超ベテラン選手でありながら、長らく続いているアウトドアブームなどの恩恵もあって、その評価や人気は今もなお健在。
また、ビジネス車として活躍するハイエースであるがゆえに“ボディが大柄”というイメージもあるが、実は標準ボディのサイズは全長4695mm×全幅1695mm×全高1980mmで5ナンバー規格内に収まっている。
要するに、長さと高さにさえ気をつければ普段使いの足としても活躍してくれるのだから、ミニバンではなく、あえてハイエースを選ぶ……という人が少なくないのも納得できるはずだ。
このような状況もあって、リセールバリューが高いことも大きな魅力となるハイエースだが、その一方で中古車市場では値崩れがほとんどなく、高値で安定しているのが現状。
人気車種の宿命ともいえる車両盗難被害においても、2026年2月に警察庁が発表した『自動車盗難等の発生状況等について』ではランドクルーザー、プリウス、アルファードに次ぐ4位にランキングされており、狙われやすい車種としての代表格にもなっている。
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