1980年に登場した初代パンダのDNAを受け継ぐ新型フィアットグランデパンダが、ついに日本上陸! ジウジアーロが生み出したシンプルで機能的なデザインを現代風にアレンジし、48Vマイルドハイブリッドを搭載。まるでお気に入りのジーンズのように毎日気軽に付き合える、イタリア生まれのコンパクトSUVの魅力に迫る!
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Stellantisジャパン
初代パンダの思想が復活! ジウジアーロが生んだ「現代のジーンズ」とは?
いやぁ、これは実にいい! フィアットが久々に「そうそう、こういうクルマを待っていたんだよ!」と思わせる新型車を日本に送り込んできた。その名は「フィアット グランデパンダ ハイブリッド」。2026年10月16日に発表、11月7日から全国のフィアット正規ディーラーで発売される新型コンパクトSUVである。
フィアットといえば、日本では500(チンクエチェント)の印象が強い。しかし、往年のイタリア車好き、とりわけ50代、60代のクルマ好きにとって、忘れられない存在がある。それが1980年に誕生した初代パンダだ。
初代パンダを手がけたのは、イタリアが世界に誇るカーデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ。いすゞ117クーペやピアッツァ、初代VWゴルフなどを生み出した巨匠である。
初代パンダのデザインは、徹底して合理的だった。直線を基調とした四角いボディ、装飾を極力排したシンプルな造形、限られたスペースを最大限に活用した室内。高級車のような豪華さとは無縁だが、日常生活で使う道具としての魅力にあふれていた。
ジウジアーロが初代パンダをジーンズに例えたことは有名な話だ。特別な日に着る高級スーツではなく、毎日気軽にはけて、使い込むほど愛着が湧くジーンズ。まさにパンダは、そんな存在を目指したクルマだったのである。
そして46年の時を経て、その思想を現代に蘇らせたのがグランデパンダだ。
今回登場したグランデパンダは、パンダの名を冠する4世代目のモデル。従来のコンパクトなシティカーから、ひと回り大きなBセグメントのコンパクトSUVへと進化した。
ただし、単純に大きくして豪華にしたわけではない。シンプルで使いやすく、誰もが気軽に付き合えるという初代の基本思想はしっかり受け継がれている。
近年のクルマは大型化、高級化が進み、装備も機能も盛りだくさん。しかし、そんな時代だからこそ、シンプルで親しみやすいクルマの魅力が際立つ。
グランデパンダは、フィアットが長年培ってきた小さなクルマづくりの哲学を、現代のライフスタイルに合わせて再解釈した一台なのだ。
車名をパンダにしなかったのは、パンディーナ(パンダちゃんという意味。そもそも愛称として親しまれてきた)と呼称変更された3代目パンダと差別化を図ることと、1クラス上にサイズアップしたことからだという。
四角いボディに遊び心が満載! 見れば見るほど楽しいデザイン
グランデパンダの最大の魅力は、なんといってもそのスタイリングだろう。
初代パンダを思わせるスクエアなボディを基本としながら、SUVらしい力強さを加えたデザインは、ひと目で「普通のコンパクトSUVとは違う」と感じさせる。
まず目を引くのがフロントマスク。ブラックグロス仕上げのグリルからヘッドライトへと続く四角いモチーフは、デジタル画像のピクセルをイメージしたもの。LEDヘッドライトには1980年代のデジタルカルチャーやレトロゲームを思わせるグラフィックが採用されている。
しかも、フロントのFIATロゴは中央ではなく、あえて左右非対称の位置に配置。普通なら左右対称にまとめたくなるところを、ちょっと外してみせる。このあたりの遊び心が実にイタリアらしい。
サイドビューも見どころ満載だ。前から後ろへ向かって高くなるウェッジシェイプのボディライン、張り出したフェンダー、広いガラスエリアによって、コンパクトながら力強いプロポーションを実現している。
そして注目したいのが、ドア下部に大きく刻まれた「PANDA」の文字だ。
単なるステッカーではなく、ボディパネルそのものにプレス加工で文字を表現している。初代パンダ4×4のタフなイメージを現代風にアレンジしたもので、実用車でありながら、細部までデザインにこだわる姿勢が伝わってくる。
Cピラーには、見る角度によってFIATロゴが4本のラインへと変化するレンチキュラーグラフィックを採用。リアランプにもキューブ状のピクセルデザインを取り入れるなど、前後左右どこから眺めても発見がある。
さらに上級グレードのラプリマには、1980年代を思わせる幾何学的なデザインと未来的なXモチーフを組み合わせた17インチアルミホイールを装備する。
ボディカラーは、リモーネ イエロー、アクア アジュール、チネマ ブラック、ジェラート ホワイトの4色。
個人的には、イタリア車らしい明るさが際立つリモーネ イエローが気になる。街中に停まっているだけでも、周囲の景色を楽しくしてくれそうだ。
最近のSUVは迫力や高級感を競いがちだが、グランデパンダはまったく違う方向を向いている。威圧感ではなく親しみやすさ。豪華さではなく楽しさ。これこそフィアットが得意としてきたクルマづくりではないだろうか。




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