WRCを日本で開催する方向になってきた。この話、フィンランドラリー優勝記者会見の際、GAZOO Racingカンパニーのプレジデントであり、トヨタ自動車の専務である友山さんが「WRC開催はトヨタの悲願」とコメントしたことから始まる。
−−このように解説するのは、WRCのTV解説も務める国沢光宏氏だ。かつてWRCは2004〜2010年まで日本(北海道)で開催されていた。その復活に向けての動きが加速している。
文:国沢光宏/写真:TOYOTA、SUBARU、JRCA
ベストカー2017年9月26日号
電通とWRCプロモーターはすでに「交渉契約」を締結
考えてみたら日本の自動車メーカーが参戦した世界選手権で、日本開催をしていないケースなどない。F1を筆頭にかつてのWRC、WEC、WTCCだって開催しているのだった。
トヨタが参戦しているWRCを、日本で開催しようという動きは当然のことだろう。もう少し正確に紹介すると、すでにWRC開催へ動き始めている、ということも今回判明した。
フィンランドで直接WRCプロモーターに聞いたのだけれど、すでに電通とWRCジャパン開催の交渉契約を結んでいるという! ただ、注意してほしいのが「開催契約」でないこと。
「交渉契約」とは文字通り交渉する契約。破談になるまで電通としか話し合いを持たないということを意味する。ちなみにWRCプロモーターはWRC開催の決定権を持っており、ここの了承なしで開催できない。
WRCジャパン開催候補は東北、伊豆半島、中部
WRCプロモーターによれば開催候補地として福島県を含む東北南部や、伊豆半島を含む静岡県、佐渡島を含む新潟県などを電通側から提案してきているとのこと。
ここまで読んで「どうして国沢がそんなこと知っているんだ?」と思うかもしれない。
WRCプロモーターのキーパーソンであるマークさんとはTVの解説をしている関係で以前から知り合いなのだけれど、2015年にMIARIをWRCドイツで走らせて以降、相当のラリー好きだと評価してくれているようなのだ。以後、さまざまな問い合わせを受けるようになった次第。
閑話休題。福島県や新潟県はどうかと聞かれたため「難しいと思います」と即答。なにしろ広域で行われるWRCを開催するためには地元の了解が必要。
福島県や新潟県もいいと思うけれど、WRCに必要な300kmのSSを今から設定しようとしたら難しい。伊豆半島の場合、ただでさえ休日は渋滞する。WRCなど開催したらリエゾンで大混乱するだろう。
と、答えた後「中部で開催を準備しているグループもあります」と伝える。
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