WRC 日本開催は2019年にも復活!? トヨタ復活で実現近づく!!

WRCを日本で開催する方向になってきた。この話、フィンランドラリー優勝記者会見の際、GAZOO Racingカンパニーのプレジデントであり、トヨタ自動車の専務である友山さんが「WRC開催はトヨタの悲願」とコメントしたことから始まる。

−−このように解説するのは、WRCのTV解説も務める国沢光宏氏だ。かつてWRCは2004〜2010年まで日本(北海道)で開催されていた。その復活に向けての動きが加速している。

文:国沢光宏/写真:TOYOTA、SUBARU、JRCA

ベストカー2017年9月26日号


電通とWRCプロモーターはすでに「交渉契約」を締結

考えてみたら日本の自動車メーカーが参戦した世界選手権で、日本開催をしていないケースなどない。F1を筆頭にかつてのWRC、WEC、WTCCだって開催しているのだった。

トヨタが参戦しているWRCを、日本で開催しようという動きは当然のことだろう。もう少し正確に紹介すると、すでにWRC開催へ動き始めている、ということも今回判明した。フィンランドで直接WRCプロモーターに聞いたのだけれど、すでに電通とWRCジャパン開催の交渉契約を結んでいるという! ただ、注意してほしいのが「開催契約」でないこと。

「交渉契約」とは文字通り交渉する契約。破談になるまで電通としか話し合いを持たないということを意味する。ちなみにWRCプロモーターはWRC開催の決定権を持っており、ここの了承なしで開催できない。

写真は2004年、初開催となった北海道でのWRCラリー・ジャパン。スバルのP.ソルベルグが優勝。その後2010年までWRCは開催された

WRCジャパン開催候補は東北、伊豆半島、中部

WRCプロモーターによれば開催候補地として福島県を含む東北南部や、伊豆半島を含む静岡県、佐渡島を含む新潟県などを電通側から提案してきているとのこと。

ここまで読んで「どうして国沢がそんなこと知っているんだ?」と思うかもしれない。WRCプロモーターのキーパーソンであるマークさんとはTVの解説をしている関係で以前から知り合いなのだけれど、2015年にMIARIをWRCドイツで走らせて以降、相当のラリー好きだと評価してくれているようなのだ。以後、さまざまな問い合わせを受けるようになった次第。

閑話休題。福島県や新潟県はどうかと聞かれたため「難しいと思います」と即答。なにしろ広域で行われるWRCを開催するためには地元の了解が必要。

福島県や新潟県もいいと思うけれど、WRCに必要な300kmのSSを今から設定しようとしたら難しい。伊豆半島の場合、ただでさえ休日は渋滞する。WRCなど開催したらリエゾンで大混乱するだろう。

と、答えた後「中部で開催を準備しているグループもあります」と伝える。

豊田市にも程近い愛知県新城市で毎年おこなわれている新城ラリー。PHOTO/JRCA

有力候補地は新城ラリーの中部か?

中部とはどこですか、というのでiBOOK開いて地図を出す。ホテルの数が多いとか、ロジスティック(ラリー車両の輸送)は理想的であるなどの情報を交え、自動車メーカーが多い地域であるなどのロケーション情報を。「唯一の課題は舗装路しか確保できないことです」と伝えたら「ターマックでも問題ないですよ」。

欧州以外で認可されるWRCはグラベルにかぎると聞いていたので意外だった。 新城ラリーは全日本戦ながら、昨年など5万人を超える観客が集まったほど盛り上がっている。当然ながら開催期間中は大賑わい。

地元も徐々に歓迎ムードとなり、道路脇で手を振ってくれるお年寄りやお子さんなど増えてきた。WRCを開催するとなれば、下を見て延べ50万人規模のイベントになるため、町おこしのすばらしい“お祭り”になることだろう。

海外などWRCをお祭りにしている地域が多い。考えてみたら3日間で延べ50万人集まり、しかも宿泊し飲み食いをしてくれるイベントを作ろうとすれば何年もかかる。WRCなら1年で立ち上がり、続けることでさらに規模も大きくなってゆく。ヨーロッパラウンドはどこも150万人くらいの観戦者数なのだからスゴイ! WRC開催は経済効果という点で大きいと思う。

WRCポルトガルの様子。WRCは欧州において数十万人規模で人を呼べる大イベントだ

開催に向けた2つの動き 視察もすでに敢行済み?

ここから話が少しヤヤこしくなる。電通はWRCプロモーターと共に開催地を選び、スポンサーを集め、独自開催しようとしている。

いっぽう、中部グループ(新城ラリーを開催する勝田照夫氏、古屋圭司元国家公安委員長、大村秀章愛知県知事などが関わる)を見ると、準備万端整えてWRCプロモーターに開催申請しようとしているようだ。この動き、フィンランドでの友山専務のコメントがなければ、しばらく同時進行していたことだろう。

その後、何度かWRCプロモーターから問い合わせがあり、日本の動きを理解した様子。本来ならすぐにでもコンタクトを取ればいいのだろうけれど、まったく交渉できないままお盆休みに突入してしまった。お互いのグループで作戦を練っていると思う。それがいい方向に向いていれば、この号の出る頃にWRCジャパン開催へ向け大きな一歩を踏み出しているに違いない。

8月中旬、新しい情報が入ってきた。9月上旬に電通はWRCプロモーターを招き、開催候補地の視察を行うという。具体的な場所はハッキリしないけれど、前述の「福島」「伊豆半島」「佐渡」そして「中部」になるようだ(時間の関係で佐渡はないかもしれない)。伊豆半島でいうと意外なことにWRCでも使えそうな道路や林道が少なくないらしい。

多くのイベントを手がけてきた電通パワーと言えるかもしれません。もちろん中部開催が条件的に最も好ましいという状況はWRCプロモーター側も充分に理解していると思う。ここにきて電通側も中部が最有力候補だと考え始めたようだ。何より日本開催を楽しみにしているのは、日頃から「WRCのすばらしさをいろんな人に見てもらいたい」と言っているモリゾウさんかもしれません。

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