トヨタライズが、2020年上半期の登録車販売台数ランキングで1位を獲得した。
7月8月は、トヨタヤリスが1位となっており、年間での1位を獲得できるかは微妙なところではあるが、SUVにカテゴライズされるクルマが、販売台数ランキングでこれほど上位にランクインしているのは、極めて珍しい。もし、年間でトップ3に入ることがあれば、SUV初の快挙だ。
ライズは何がよくてこれほどまでに売れているのか。ライズ爆売れの理由を考察していく。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA、MAZDA、SUZUKI
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ライズの魅力は「良品廉価」
ロッキー/ライズのヒット要因をひと言でいうならば、「良品廉価」にある。5ナンバーサイズとは思えない、プチRAV4といった感じのドシッとしたエクステリア、プラスチック素材は多いが、先進的な雰囲気を持ち上手くまとめられたインテリア、車幅もさほど広くなく、四角いボディのため、視界が良くて運転が怖くない。
そして、1.0リッターターボエンジンのトルクも太く、発進時にはそれなりに強い加速が得られる。
C-HRやヴェゼルといったスタイリッシュな都会派SUVには見飽きた、でも、フィットクロスターのようなクロスオーバー風味のコンパクトカーでは物足りない。とはいえ、ジムニーシエラはちょっとハードすぎ、でも、スズキクロスビーは少しファッション的でライトすぎる。
そこへ「オフロードスタイル」をまとって登場した、ロッキー/ライズは、まさに「ちょうどいい」という感じだったのだろう。
オフロードをガシガシ走破する本格的なクロカンや、オンロードからオフロードまで万能でこなせるSUVは不要。クロカンやSUVの「雰囲気」があれば十分、と感じるユーザーにとって、主要グレードが200万円前後で買えるライズ/ロッキーは、ぴったりなモデルだったのだ。
とはいえ、軽自動車の車体をベースにして造りこまれたロッキー/ライズには、弱点もある。乗り心地、静粛性、ハンドリング(特にボディモーション)に関しては、物足りなく感じるシーンもあり、あとすこししっかり感が欲しい、と筆者は感じた。
しかし、すべての性能をパーフェクトにした姿でなくても、ライズ/ロッキーは十分に楽しめるクルマであり、それでこそ「ちょうどいい」クルマとなっているともいえる。
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