価格3億円超!!! 現代に蘇る“ファンカー” GMA T.50とは???

価格3億円超!!! 現代に蘇る“ファンカー” GMA T.50とは???

 なんとも異彩を放つ後姿。何やらリア中央には円形の、ファンのような形状が見て取れる。

 ここでピンときたあなたはさすが!! 鋭い!!!

 そう、このクルマをプロデュースし、デザインしたのは“かの”ゴードン・マレー氏、その人なのである。

【画像ギャラリー】クルマとしての、工業製品としての圧倒的な美しさ!!! GMA「T.50」の画像をギャラリーでチェック!!!

※本稿は2020年8月のものです
文:ベストカー編集部/写真:GMA
初出:『ベストカー』 2020年9月26日号


■もはや市販レベルじゃない… ブラバムBT46Bを思い出させる現代の“ファンカー”登場!

 マレー氏が2017年に設立したゴードン・マレー・オートモーティブ(GMA)が8月4日に公開した「T.50」なるスーパーカーなのだ。

マクラーレンMP4/4でセナ&プロスト全盛期の「マクラーレン・ホンダ」時代を作ったゴードン・マレー氏。1946年生まれの74歳だ

 2022年1月より生産を開始し、100台限定での販売を計画しているという。価格は236万ポンド。日本円に換算すると、ザっと3億2600万円!!

 車体後方に搭載された400mm径のファンは、まさにエアを吸い出しダウンフォースを増強させるアイテム。

 これ、1978年のF1にマレー氏自身が送り込み、圧倒的なパフォーマンスで物議を醸したブラバムBT46Bで効果を実証した“ファンカー”そのもの。

車体後部、中央に丸く口を開けているのが問題のファン。車体下部のエアを吸い出すことでダウンフォースを高めるのだ

 T.50ではこの後部のファンと2つの可動式リアスポイラーを組み合わせることでダウンフォースを最大50%増加させたり、空気抵抗を12.5%低減するほか、ラムエア効果を発揮することでエンジンパワーを50‌ps増加させる効果もある。

 また、ブレーキング時にはエアブレーキ効果を発揮し、240km/hからの停止距離を10m短縮する。

前ヒンジでポップアップするドアはスーパーカーの必須アイテム。V12エンジンはミドに搭載される。全長4352mm、全幅1850mm、全高1164mmというボディサイズはNSXよりコンパクト。ホイールベースは2700mmと長い。カーボンモノコックを採用し、車重は1トンを切る986kgというのが凄い

 このファンによるエアロ効果のため、T.50のエクステリアは驚くほどシンプルで、派手なエアロ形状をしていないのが逆に新鮮に見える。

 ボディサイズは全長4352mm、全幅1850mm、全高1164mmでホイールベースは2700mmなのでNSXよりコンパクト。

 重量わずか150kgというモノコックはカーボン製で、搭載される4L、V12エンジンはアルミブロックにチタンコンロッドなどで徹底的に軽量化。車重は986kgに抑えられているというから凄い!!

 このコスワース製のNAエンジンの最高許容回転は1万2100rpmで、最高出力663ps、最大トルク47.6kgm。3ペダルの6MTというのも今どきでは逆に魅力的に思える。

ミドに搭載されるコスワース製の4L、V12NAエンジン。663ps/1万1500rpm、47.6kgm/9000rpmで最高許容回転は1万2100rpmというから、もはやちょっと意味がわからない。アルミブロックを採用し、コンロッドやバルブなどはチタンを採用し、エンジン本体の軽量化も徹底されている

 いやぁ~、やっぱり鬼才は健在なり!!

■ゴードン・マレー T.50スペック
・全長×全幅×全高:4352mm×1850mm×1164mm
・ホイールベース:2700mm
・車両重量:986kg
・エンジン:V型12気筒DOHC
・ボア×ストローク:81.5×68.3mm
・総排気量:3994cc
・最高出力:663ps/11500rpm
・最大トルク:467Nm(47.6㎏m)/9000rpm
・最高許容回転:12100rpm
・トランスミッション:6速MT
・サスペンション:ダブルウイッシュボーン
・タイヤサイズ:F 235/35R19、R 295/30R20
・価格:236万ポンド(約3億2600万円)

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