2018年春に日本発売予定のSUVがエクリプスクロスだ。三菱が久しぶりに放つ新規モデルだから、開発陣の気合の入れ方は半端じゃない。なかでも注目は同車に搭載される新開発のターボエンジンだ。
取材を進めると、このエンジンには、まだまだ高性能化の余地があることが明らかとなった。「エボ」を名乗るような高性能モデルへの搭載も充分可能なポテンシャルを秘めている。
文:片岡英明/写真:池之平昌信、MITSUBISHI
新開発ターボはコルトラリーアートを上回る性能持つ
新型エクリプスクロスで、特に力が入っていたのはパワートレーンである。エンジンは、新開発の1.5L直列4気筒DOHC直噴ターボだ。世界的に流行しているダウンサイジングターボで、2Lの自然吸気エンジンを大きく超えるパフォーマンスを発揮しながら、燃費性能を向上させた。
新設計の1.5Lエンジンには「4B40」の型式が与えられている。ターボはIHI製のシングルターボで、ブースト圧は150kPaにとどめている。軽自動車に使うようなコンパクトサイズのターボだ。
これにジャトコ製の8速スポーツモード付きCVTを組み合わせた。圧縮比は10.0で、最高出力は120kW(163ps)/5500rpm、最大トルクは2.5L自然吸気エンジン並みの250Nm(25.5kgm)/1800~4500rpmと発表されている。
三菱にとって、コルトのスポーツ仕様、ラリーアートバージョンRに搭載された4G15型エンジン以来の1.5Lターボだ。パワーは同等だが、トルクは勝っている。
4B40型エンジンは、排気マニホールド一体型のシリンダーヘッドや吸排気MIVEC(=可変バルブタイミング機構)などを採用し、37%の高い熱効率を達成した。2Lの自然吸気エンジンより実用燃費はいいし、CO2排出量も少ない。ちなみに欧州仕様のCO2排出量はEUモードで151g/kmだ。
エクリプスの開発担当者は、「こだわったのは常用域での扱いやすさと気持ちいい加速です。小径のターボを採用し、これをレスポンス鋭く低回転から回して素早く過給を行いました。低速トルクを太らせ、1800回転から最大トルクを発生するようにしています。
だから、日常のドライブシーンのなかで気持ちいい加速を楽しめます」と述べている。
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