伝統の『型式』が予感させる発展の可能性
ラリーアートの4G15型や歴代ランサーエボリューションの4G63型、ランエボXの4B11型など、三菱のターボエンジンは、これまでトップエンドのパンチ力を重視していた。
が、エクリプスクロスの4B40型は扱いやすいエンジンに仕上げている。欧州で流行っているダウンサイジングターボがそうであるように、エクリプスクロスも素直で扱いやすいターボエンジンだ。
また、直噴システムにポート噴射を併用し、低回転から高回転まで、全域に渡って良好なドライバビリティと優れた耐ノッキング性能を実現した。ターボの採用と相まってパンチ力があり、全域で余裕があるエンジンになっているのである。
エンジン型式にランエボXと同じ「4B」が付いたターボエンジンだけに、この4B40型をチューニングして痛快なスポーツエンジンに仕立てる発展・進化を期待してしまうファンも少なくないだろう。
三菱は東京モーターショーにe-エボリューションを参考出品していた。これは三菱が、エボリューションを継続することの意思表明だ。エクリプスクロスにも、刺激的な走りのエボリューションモデルを設定する可能性はないのだろうか?
パワーやトルクは「増やしても耐えられる設計」
開発者は「まだ、生まれたばかりのエンジンです。が、これから先、三菱のエースになるエンジンとして開発しました。今後、いろいろな味付けができると思います。最初からトルクを(エクリプスの仕様より)増やしても耐えられるように設計しました。また、もっとスポーティな味付けにすることもできます」と頼もしい発言をしている。
もっと大型の高出力型ターボを搭載し、冷却系などに手を加えれば、難なく250psレベルに達するはずだ。
搭載されているジャトコ製のCVTは、トルクを増強すると耐えられないだろう。このままではスポーツモデルのミッションとしては役不足だ。だが、三菱はランサーエボリューションXに採用したゲトラグ製のツインクラッチトランスミッションや高トルク対応型の6速MTを持っている。
また、4WDの経験も豊富だ。だから新世代のエボリューション、ラリーアートに変貌させることは難しくない。
三菱にとって最後の独自設計となる車がエクリプスクロスである。三菱エンジニアの意地を見せるためにも、驚異的な走りを見せるエボリューションモデルを出して欲しい。コンパクト設計のパワートレーンだから、次期ミラージュに搭載しても面白い存在となるハズだ。
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