伝説のEJ20ターボを積んだWRX STIがすでに生産終了となり、国産の2Lハイパワーターボ+4WDマシンでは唯一の生き残りとなっているのがWRX S4。
そのWRX S4も、いよいよ来年早々、1月24日には受注生産の受付が終了となる。
今回は500台限定の特別仕様車だった「WRX S4 STI Sport#(スポーツシャープ)」を改めて借り出して試乗。その様子をお伝えする。
【画像ギャラリー】さらばFA20!WRX S4 STI Sport#試乗の様子とともにその足跡を画像で辿る
※本稿は2020年11月のものです
文/永田恵一、ベストカー編集部、撮影/西尾タクト、撮影協力/河口湖ステラシアター
初出:『ベストカー』 2020年12月26日号
■7月6日の正式発表前に完売してしまったSTI Sport#
特別仕様車「だった」と前置きしたのはこのクルマ、すでに完売しており、もう買うことができないからだ。
ちなみに今、自分が乗っている愛車は2015年式のWRX S4 GT-Sアイサイト。
いわゆる「アプライドB型」と呼ばれるモデルだが、それと比べてもこの「#」は圧倒的に各所の質感が高められている。
具体的には動的質感の部分で、通気抵抗低減型エアクリーナーエレメントとSTI製低背圧パフォーマンスマフラーを装着していることにより、加速中のエンジントルクが10%近く向上しているのが大きい。
もともと低速域からトルクの太いFA20型ターボだから、個人的には自分のB型でも充分に満足していたのだけど、こっちに乗ってしまうと高速走行時のアクセルレスポンスのよさにグイッと惹かれてしまう。
それと#のほうは、やけにステアリングの操舵性がリニアで安定性も抜群。
これもSTIのハンドリングを司る辰己英治総監督肝いりのアイテム、STI製フレキシブルドロースティフナーがリアに装着されている効果なのだろう。
これ、北米専用のコンプリートカーであるS209にも装着されていて、その効果が存分に実証されているパーツなのだ。自分のクルマにもぜひ欲しいのだが……。
そして静粛性と乗り心地。自分のB型はタイヤが225/45R18サイズなのに対し、#は245/40R18サイズなのに振動や騒音対策がされていることで、ここもレベルアップされている。
#にはWRX STIに装着されていた「ダンロップSP SPORT MAXX RT」が奢られ、自分のB型は純正の「ダンロップSP SPORT MAXX 050」から乗り心地重視の「ダンロップLE MANS V」に替えたのに、この#ほどのしなやかさはないんだよなぁ。
さらに羨ましいポイントとして、インテリアの各部がバージョンアップされていること。
ウルトラスエード巻きのステアリングに専用レカロシート、それとシックなシルバーのステッチがあしらわれたシフトノブなどブラック基調のコンソールは単純にカッコいい。
内装の質感を気にする自分としては気になっていたポイントだけに、オーナーは満足できるはず。
ちなみに現在はSTI Sportアイサイトのみが販売されているWRX S4が、来年1月24日には受注生産の受付を終了する。欲しい人は今すぐ買わないと!
(TEXT/編集部)
■スバル WRX S4 STI Sport# 主要諸元
・全長×全幅×全高:4635×1795×1475mm
・ホイールベース:2650mm
・車重:1550kg
・エンジン:水平対向4、2L DOHCターボ
・総排気量:1998cc
・最高出力:300ps/5600rpm
・最大トルク:40.8kgm/2000~4800rpm
・ミッション:スポーツリニアトロニックCVT
・駆動方式:4WD
・WLTCモード燃費:ー
・価格:474万1000円(※すでに500台完売済み)
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