いま一番「顔」が派手な国産車は何か、といえばアルファード/ヴェルファイアだと答える人が7割を超えるのではないだろうか。
数字に根拠はまったくないが、ともかく顔が派手だ。「派手」とオブラートに包んで表現してみたが、本音を言えばドギツい。ここだけの話、マジンガーZとか『北斗の拳』に出てくるジャギみたいだと思っている。
しかしそれでも売れている。なぜかと考えてみたが、乗ってると本人にフロントマスクは見えないしな、と思い至った。
ビビるのは他人なのだ。「それでいいのか?」とも思うがしかし、むしろ「それがいい」と思っている人も多いようだ。
そんなわけで、新型アルファード/ヴェルファイアである。2017年12月25日にマイナーチェンジを発表し、2018年1月8日に発売され、さらに「顔」が派手になった新型アルファード/ヴェルファイアを、じっくり紹介したい。
文:ベストカー編集部 写真:茂呂幸正
■クルマの進化を霞ませる「顔」
2015年1月にデビューしたアルファード/ヴェルファイアは「ミニバンの皇帝」の名にふさわしい存在感を発揮し、日本を代表する高級車に成長。今やベンツ、BMW以上に憧れを抱かせるクルマになったといえる。
そんなアル/ヴェルが初めてのマイナーチェンジを敢行。もう「参りました」というしかないほど猛烈なギラギラ顔で登場した。
V6、3.5Lエンジンが301psの新しい直噴ユニットに変更されたのもニュースだし、第2世代に進化したトヨタセーフティセンスを初めて搭載したのも大きなニュースだが、そんなトピックが霞んでしまうのがこの新しいフロントマスク。
従来型は「フォーマルなアルファード」に「華やかなヴェルファイア」というキャラクターだったが、新型は競い合うようにどちらも超ド派手路線。わずかに残っていた照れや逡巡のようなものがなくなり、完全に吹っ切れたようである。
具体的にはヘッドランプ、フロントグリル、フロントバンパー、バックドアガーニッシュ、リアコンビランプを一新。インテリアではメーター加飾、シート表皮、木目の色を変更し、高級感を向上させている。
また、フロントバンパー両サイドの形状を変更したエアロ仕様を両車に設定。このエアロ仕様の最上級グレードとしてエグゼクティブラウンジS(アルファード)とZ(ヴェルファイア)を新たに加えている。
301ps/36.8kgmを発生する直噴V6、3.5Lエンジンには新開発のダイレクトシフト8ATが組み合わされる。世界トップレベルの伝達効率を持つATで、その名のとおりダイレクトなフィーリングを味わわせてくれる。
直4、2.5Lガソリンと2.5Lハイブリッド(E-Four)は従来型を踏襲するが、ボディ剛性や空力性能を高めることで、走りの質感を向上させているという。
マイナーチェンジのレベルを超えた大胆な変更。ポルシェにキャッチフレーズ使用料を払って「最新のアル/ヴェルが最良のアル/ヴェル」というキャッチフレーズを付けてほしいくらいである。
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