大雪で高速道路が通行止めになり、雪の中で車中に閉じ込められるケースが全国で何件も発生しています。高速道路会社や自治体の除雪車、自衛隊の活動で救出されるまで、車内で数時間、中には数十時間すごさなくてはいけないケースもありました。
こんなとき、ガソリン車であればヒーターを付けたまま何時間でも車内に留まることができるし(排気管の雪詰まりによる一酸化炭素中毒にはくれぐれも注意を!)、万が一ガス欠になっても、ガソリンは携行缶で注ぎ足すこともできるでしょう。
しかしピュアEVではそうはいきません。
ヒーターを全開にしていれば数時間で電欠になってしまううえに、充電に何時間もかかってしまいます。
「雪による立ち往生」が発生するリスクのある日本で、はたして本当にピュアEVは普及するのでしょうか。「電動化」が叫ばれるなか、この冬、一般乗用車の電動化について改めて考えた人は多いはず。この疑問に自動車ジャーナリストの諸星氏に見解を伺いました。
文/諸星陽一 写真/AdobeStock
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■「電動化」には度合と順序がある
世の中、にわかに自動車の電動化、電動化と騒ぎたてています。電動化というとEVになると思うかも知れませんが、そうではありません。電動化とはハイブリッド車や燃料電池車、さらにマイルドハイブリッドまでを含めていて、「動力のどこかに電力が介在するようになる」という意味です。EVの場合は100%ですが、マイルドハイブリッドの場合は数%かそれ以下に過ぎません。まずはここを間違えないようにしましょう。
大局的にはEVに向かって動いているのは間違いありませんが、それがEVのみになるのか? EVとハイブリッド車の混合になるのか? 水素が台頭してくるのか? はまだわかりません。今はいろいろな方法を試している状況だと理解していいでしょう。
EVが普及していくにはまだまだ大きな問題がたくさんありますし、早々にEVのみになることはないとみていいでしょう。ただ、最初の一歩を踏み出さない限りは次のステップには進めません。今はそういう時期なのです。
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