東京都は2030年、国としても「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と表明した。二酸化炭素排出量を低減することは必要であり、それを否定することはない。
しかし、電動化を進めようと考えた時、二酸化排出量ではない問題に、政府そして国民は直面することになる。それが「税」の問題だ。
現在日本は多くの税をクルマに強いている。しかし、電動化によって得ることができなくなる税金が出てくるのだ。そうなれば、どこから取ることになるのか? そうなった場合、どのような税の徴収とすることが不公平感をなくすことにつながるのか? 現状の税制の問題に触れつつ、提言していきたい。
※本稿は2021年1月のものです
文/国沢光宏
写真/Adobe Stock(beeboys@Adobe Stock)
初出/ベストカー2021年2月10日号
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■搾り取りやすい所から搾り取る日本の税制の現状
ここにきて一般社団法人 日本自動車工業会(自工会)は重量税が一般財源される現状や、古いクルマに重課税されることなど、国際常識と離れた自動車関連税制の是正を頻繁に訴え始めた。
実際、道路を傷めるため車重によって定められている重量税が、ムダと思える箱物を作るために使われるとなれば納得できない。
古いクルマは文化財的な側面も大きいのに、高い税金を取られるという状況だって明らかにおかしいと思う。乗り換えを促したいのなら、15年過ぎたら大幅に減額されるなど救済措置など欲しい。
しかし! 今や一番大きい課題となり始めているのが燃料に掛けられている諸税だ。ガソリンや軽油から高額の税金を取っており、その税金に消費税まで掛けるという二重課税も行い、何と年間4兆3000億円の税収を得ている。我が国における2019年の総税収は62兆5000億円。その中の7%が燃料課税ということになります。参考までに書いておくと、自動車税や購入時の消費税で4兆5000億円! 日本の税収の14%が自動車ユーザーから得ているのだった!
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