20021年2月24日、ハーレーダビッドソン・ジャパンは過酷なグラベルでも走ることができるオフロードバイク、「パン アメリカ1250」と上位グレードの「パン アメリカ1250スペシャル」を発表した。
1903年の設立から長い歴史を積み重ねてきたハーレーダビッドソンにとって初のオフロードモデルとなるこのバイクを、じっくりとご紹介しよう。
※本稿は2021年3月のものです
文/西尾タクト 写真/Harley Davidson
初出:『ベストカー』 2021年4月10日号
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■アメリカンバイクの新時代 ハーレーが国道を外れて岩山へ!
ハーレーと言えば、「大排気量のV型エンジンにモノを言わせたクルーザータイプの車体で、革ジャンにサングラス姿のタフガイたちが少し舗装の荒れたルート66をどこまでも西へ行く!」そんなイメージだっただろうか。
同車はそんなイメージを覆すスポーティなイメージで、ハーレーダビッドソンの従来のファンとは少し異なるかもしれないオフローダーたちの心をくすぐる仕様だ。
価格は「パン アメリカ1250」が231万円からで、上位グレードとされる「パン アメリカ1250スペシャル」は273万1300円からの設定。
■北米大陸全土を駆ける、まさにオールアメリカ主義
奇しくもコロナ禍のパンデミックで再認知されるところとなった、ギリシャ語を語源とする「パン」という言葉。
この名を冠する「パン アメリカ」とはすなわち、「全アメリカ主義」を指す。
北米大陸を貫くルート66をひたすら重々しく進む大艦巨砲主義の大型クルーザータイプに対し、同機は未舗装の山道や砂漠地帯もグイグイと突き進む、さながらカウボーイの愛馬だろうか。
日本とは異なり、広大なアメリカ大陸の内陸部などは、映画のように荒涼とした未舗装地域も少なくない。
■電子制御のモード変更でどんな環境も快適に走破
本機に装着されたTFTモニターのタッチスクリーンでは走行モード選択が可能。
日常ストリートユースの「ロード」、メインの「オフロード」、荒天時の「レイン」、「スポーツ」などの設定が存在。用途に合ったモードで、灼熱から極寒の過酷な北米大陸を駆け抜ける。
さらに上位グレードのスペシャルでは、電子制御式セミアクティブフロント&リアサスペンションを装備。
設定をリアルタイムに変えながら走行する高機能な足回りを採用し、それに合わせてアダプティブライドハイトはシート高の調整も行える。
要はターマックでの高速走行時には、従来のハーレーダビッドソンらしいクルーザースタイルを保持し、道を外れてグラベルの姿勢制御が必要になるとスポーツバイク向きの設定に賢くトランスフォームしてくれるという。
シート高の可動域は830~873mmまでで、ライダー側の好みで姿勢変更も可能だ。
下位グレードの「パン アメリカ1250」には、ビビッドブラック、リバーロックグレーの2色。
「パン アメリカ1250スペシャル」には、ビビッドブラック、ガントグレーメタリック/ッドウッドグリーン、バハオレンジ/ストーンウォッシュホワイトのツートーン配色を含んだ3色。
ハーレー初の電動スポーツバイク、「Live Wire」の登場なども重なり、ハーレーダビッドソン新世代の風を否が応にも感じるところだ。
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