SUVは、舗装路も悪路もフツーに走れ、荷物も積もうと思えばガンガン積めることが美点。とはいえ、本格的な悪路を頻繁に走るユーザーは多くないはず。そこで、本記事では「ちょっとしたアウトドアや遠乗り、あるいは日々の街乗りで使いやすく、同時にしゃれてもいるSUVは果たしてどれなのか?」という観点でのみ話を進めたい。予算は、現実的な線で「200万円台しばり」にていってみようと思う。
文:伊達軍曹/写真:編集部
「マルチに使える」マツダ CX-5
もちろん、車に対する評価は人それぞれだが、極力客観的に考えると、これこそが「いろいろ使いやすくて、同時にしゃれてもいる200万円台SUV」の最右翼だ。
大きすぎず小さすぎない絶妙なサイズは、自分1人でどこかへ行くにも、友人など2~3人+荷物を積んでキャンプなどへ行く際にもほぼ最適。
そして「鼓動デザイン」と呼ばれる全体のデザインは、特に顔つきの部分で好みは分かれるかもしれないが、「内外装の質感とおしゃれっぷり」に関してはぶっちぎりだ。
いわゆるハンドリングも絶妙で、「こんな感じで曲がりたい」と思いながらちょっとハンドルを切ると、本当にそのとおりに曲がってくれる……というのも偏差値低そうな文章で恐縮だが、そういう車って実は少ないことを、わたくしは平成生まれの諸君に力説したい。
唯一の問題は「ちょい高い」ということか。イチ推しのディーゼルエンジン搭載グレードはおおむね300万円以上で、ガソリンエンジン搭載グレードでも、総合的に見てオススメとなる25S L Package 2WDは298万6200円。ううむ……ちょい高いね。
トヨタ CH-Rはハイブリッドがオススメ
ならばコレでどうか。2017年、SUV新車販売台数第1位に輝いたトヨタのコンパクトSUVだ。やや小ぶりで、そしてデザイン優先な作りであるため、積載性は大したことない。が、2~3人レベルで遠出する分には十分だ。
そして「走り」もなかなかのもの。TNGAというトヨタが満を持して送り出した新しい車台を使っている関係で、基本的にはキビキビとした動きのなかに、しっかりとした芯のようなものが感じられるのだ。
あとはやはり「デザイン」か。このトヨタらしからぬ(?)アグレッシブなデザインが貴君の琴線に触れるなら大いに買いだろう。ただし、そのデザインのせいで後方視界は今ひとつなので、バックモニターの類は必須。
グレードは、超大きく分けると 1.8Lハイブリッドと 1.2Lターボの2系統。総合的に見た推しメンはハイブリッドの上級グレードである「G」だが、292万9200円とちょい高いため、次善の策として1.2Lターボの上級グレード「G-T」のFF版(260万5200円)を推したい。
定評の四駆と頼もしさならスバル XV
ここまで駆動方式についてはあまり触れてこなかったが、「SUVといえば4WDでしょ」と考える人は多い。
だが、もしも街乗りがメインで、「たまにキャンプや釣りで悪路も走ります」という程度の使い方であるならば、実はFF(前輪駆動)でも全然十分。燃費も、4WDよりFF車のほうが良好である場合がほとんどだ。
とはいえ、「4WDのほうが何かと好ましい」という人も少なくないはず。そんな貴君にオススメしたいのが、こちらスバル XVだ。
水平対向エンジンやその他の重量物を左右対称・一直線にレイアウトしているバランスの良い「フルタイム4WD」であるため、悪路での走破性は、見た目からは想像できないほど高レベル。降雪地帯や砂利道などだけでなく、強風や大雨の際にも超絶安定した走りを披露してくれる車だ。
SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)という新しい車台により、舗装路での走りも一級品。アイサイトver.3のデキも素晴らしいため、長距離移動はひたすら楽ちんである。
エンジンは1.6Lと2Lの2種類だが、オススメは2L。2Lのなかでも17インチホイールの「2.0i-L」と18インチの「2.0i-S」があるが、個人的にはお安いほうの2.0i-L(248万4000円)で十分かと思う。
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