中古車情報などを見ていると「タイミングベルト交換済み」という表示が行われていることがあります。タイミングベルトは国産車の場合おおよそ走行10万km、輸入車は5万kmや車種によっては3万kmで交換することが推奨されている部品です。
交換にはそれなりのコストが掛かるため、走行距離が多い中古車の購入時には交換されているか否か? は重要なポイントとなります。
文/諸星陽一
写真/Adobe Stock、編集部
トップ画像/ARTPROXIMO.Stock.Adobe.com
【画像ギャラリー】湿式タイミングベルトが使われているプジョー208 厳選写真をみる
切れたら最後! そもそもタイミングベルトとは?
そもそもタイミングベルトとは何でしょう?
タイミングベルトは、OHCとDOHC、カムシャフトがヘッド上にあるタイプのレシプロエンジンで、クランクシャフトの回転を吸排気カムシャフトに伝えるための部品です。
昔はチェーンを使って回転を伝えていましたが、1970年前後からコグドベルトと呼ばれる歯付きベルト(ベルトに凸部分があり、チェーンやギヤのように使える)が多くのエンジンに採用されるようになりました。
チェーンに代わってコグドベルトが使われるようになったのは、コストが安い、騒音を減らせる、潤滑の必要がないなどの利点があるからでした。
しかしチェーンのように半永久的(といってもチェーンも伸びますので40万km、50万kmとなると寿命になっていることはあります)には使えず、長くても10万km程度で交換しなくてはならないことが大きなデメリットでした。
エンジンが回っている状態でタイミングベルトが切れると、正しい順序で動いていたピストンとバルブの動きがメチャクチャになり、ピストンとバルブが接触してエンジンが破損します。
年々クルマの寿命が長くなり、中古車として下取りに出される前にタイミングベルトの寿命が来て、新車で購入したオーナーがタイミングベルトを交換しなければならないようなことも起きてきました。そうなると新車としての魅力がダウンします。
いっぽう、タイミングチェーンも進化し静粛性を高めたサイレントチェーンと呼ばれるものが登場。タイミングベルト方式からチェーン方式への移行が進みました。
コメント
コメントの使い方