皆さん、こんにちは。自動車ライターの伊藤梓です。主にアルファタウリの角田裕毅選手の活躍をリポートしているこのコラムですが、ここ数戦は明るいイラストを描けていませんね……。今回も衝撃的なイラストからスタートすることをお許しください!
文、イラスト/伊藤梓、写真/HONDA
【画像ギャラリー】これが若さか……走り以外で目立ってしまった角田裕毅選手のF1第4戦スペインGP
■ファーストドライバー優先のセッティングの中、なんとか結果を出したい
F1第4戦スペインGPは、バルセロナにあるおなじみのカタルーニャ・サーキットで開催されました。
フリー走行では、角田選手は、チームメイトのガスリーとあまり遜色ないタイムでしたが、マシンとはまだ上手く噛み合っていない様子。
ポルトガルGPの記事でも書いた通り、アルファタウリのファーストドライバーはピエール・ガスリー選手、セカンドドライバーは角田選手です。マシンは、ファーストドライバーの意見を優先してセッティングすることが多いので、セカンドドライバーが乗りにくくなることもしばしば。
どうやら、角田選手もそれに悩まされている様子。それでも、その中でベストを尽くして、なんとか結果を出さなければいけません。
■苛立ちからの暴言!! チームメカニック批判と受け取られかねない
そして、始まったスペインGP予選。角田選手は、完璧にマシンを乗りこなしていないようですが、フリー走行の結果だけ見れば、Q1は突破できそうです。
期待して観戦していると、Q1の1アタック目で、12番手タイムを記録。すでにQ1通過ラインより上なので、2アタック目でもう少しタイムアップすれば、Q1は通過できるはず。
そして、その2アタック目。角田選手は序盤にタイムを出して、10番手にジャンプアップ。しかし、他のドライバーも1アタック目よりタイムを上げています。ライブタイミングで順位を見ていると、角田選手の前にどんどん他のドライバーの名前が飛び込んできます。
そして、角田選手は、あっという間にノックアウトゾーンの16位へ転落……。残念ながら、角田選手は、それ以上タイムを出すことはできず、Q1で敗退となりました。
Q1を通過した15位のアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィとは、なんと0.007秒差。「惜しかった!」と思っていたら、角田選手の無線が聞こえてきました。
「I can’t f***ing believe this car!!(このクルマ、信じられないよ!!)」
さすがにこの無線には、私も絶句……。
自分のドライビングへのイライラをぶつけたり、他のドライバーの危険行為を非難するのはギリギリOKだと思いますが、マシンに文句を言うのは、一緒に戦ってくれているチームやクルーを侮辱するのと同じです。
F1に限らず、レースは、チームのエンジニアやメカニックなど、たくさんの人が支えてくれて、ようやく成り立つもの。チームの雰囲気が悪くなれば、ドライバーにとっても良いことはありません。
予選後、この無線に対して角田選手は「チームを批判する意図はなく、自分に対して苛立っていた」と、謝罪。いちファンとしては「これで丸く収まりますように……」と祈るばかり。
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