シビックタイプRの中古車価格はなぜ上がり続けているのか? 900万円まで高騰の可能性も!?

シビックタイプRの中古車価格はなぜ上がり続けているのか? 900万円まで高騰の可能性も!?

 クルマの場合、「生産終了」というアナウンスがなされると最終モデルはそれまでの人気、不人気に関わらず、中古車相場が高騰する傾向がある。

 古くは日産『R34型スカイラインGT-R』が最終モデルの「ニュル」を発売すると、即完売そして新車を上回るプレミアム価格をキープし、現在では2000万円以上のプライスを付けるほど値上がりしている。

 また、最近では2021年3月に軽オープンモデルのホンダ『S660』が2022年3月に生産終了をアナウンスすると、特別仕様車の「モデューロXバージョンZ」は即完売、新車の販売台数枠も埋まってしまった。

 さらに生産終了の影響は中古車相場にも波及した。生産終了をアナウンスした3月の時点では約600台もあったS660の中古車が現在約130台まで減少。この動きに呼応して、中古車の平均価格も4月を底値に値上がりに転じて現在も値上がり中だ。

 なぜ、こうした動きになるのか。それはユーザーが2度とこのようなクルマは登場しないだろうから、乗っておきたい! という心理が働くからだ。S660もすでに新車がオーダーできないクルマ、すでに生産したクルマは当然のことながら中古車でしか手に入れることができない。

 中古車は需要と供給のバランスで価格が決まる商品なので、S660のように生産終了というアナウンスは中古車相場が動くきっかけとなってしまうのだ。実際にその懸念されるような動きになってしまっている。

 ホンダは新社長主任の会見で、2040年にはグローバルでEV、FCVの販売比率を100%にすると発表した。もう、ガソリンエンジンを新開発する可能性はかなり低くなっているだろう。そうした影響もホンダの中古スポーツカーの値上がりに繋がっていると考えられる。

 そこで、ここでは、2020年10月にマイナーチェンジを行い、11月に限定車のリミテッド・エディションを販売するものの、特別仕様車だけでなく、カタログモデルも生産終了となったシビックタイプRの中古車相場について紹介しよう。

文/萩原文博
写真/HONDA、編集部

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■最強のタイプR!? 現行型シビックタイプRとはどんなクルマか

 現行型シビックタイプRは2017年7月に登場した。新開発のプラットフォームに、最高出力320ps、最大トルク400Nmを発生する2L直列4気筒VTECターボ+減速操作に合わせてエンジン回転素が自動で調整されるレブマチックシステムを搭載した6速MTというパワートレーンを搭載したスポーツモデルで、ニュルブルクリンクでFF車最速をルノー・メガーヌと競っている。

 そして2020年10月のマイナーチェンジで、外観は、フロントグリルの開口面積を従来のモデルから拡大し、冷却性能の向上と、フロントバンパーエアスポイラーの形状変更などによりダウンフォースレベルを向上。

FK8後期型は、前期型に対して機能面で細かいチューニングを受けて進化している
FK8後期型は、前期型に対して機能面で細かいチューニングを受けて進化している

 そして、安定したブレーキフィールを実現するとともに、バネ下の重量低減にも貢献させるため、2ピースフローティングディスクブレーキを採用した。さらに、アダプティブ・ダンパー・システム制御や、サスペンションブッシュ・ボールジョイントなどのきめ細やかなサスペンションのアップデートを行いドライビングフィールの向上を実現させている。

 また200台限定の特別仕様車、リミテッド・エディションは専用ボディカラーのサンライトイエローIIを採用し、BBS社製鍛造アルミホイールを採用し、バネ下重量の軽量化を施した。同時にハイグリップタイヤのミシュランパイロットスポーツCup2を装着し専用セッティングを施している。

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