R34のスカイランGT-Rが、いまや5万km走っていても新車時の価格と同等で取り引きされている。こんな時にクルマ好きは「あの時買っておけばよかったなぁ」なんて話すもの。
たっぷり楽しんで、手放す時にはお得に買い取りしてもらえる。そんな夢のようなクルマは現行車にあるのだろうか? そこで「コスパの鬼」、渡辺陽一郎氏にそんな魅力タップリの現行車を聞いてみた。
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカー編集部
■10年後も普遍的な価値を持ち続ける現行車とは?
「あの時、買っておけばよかったなぁ」と思わせるクルマがある。マツダRX-7とか、ホンダビートのような小さいスポーツカー。
トヨタiQのようなデザインや機能に特徴のあるクルマ、あるいは日産Be-1、トヨタオリジンのような限定的に売られた車種もある。
共通するのはいずれも個性が強く、販売台数も少ないことだが、時間を経過しても古さを感じさせない普遍性が大切だ。先に車名を挙げたクルマは、車両の劣化を除けば、造形の古さを感じさせない。
そしてRX-7などを除くと、1代限りで終わった車種が多い。
考えることは誰でも似ているから「あの時、買っておけばよかったなぁ」と思わせるクルマは特定の車種で人気が集中する。中古車価格が高まり、買取価格も上昇する。
買った時の価格で売却できたりするわけだ。これがまた都市伝説になって広まり、「あの時、買っておけばよかったなぁ」と一層強く思わせる。
そこで例えば10年後に「あの時、買っておけばよかったなぁ」と思わせる現行車を考えてみたい。それは現行車が備える魅力の深さ、普遍性を知ることにも繋がるだろう。
■軽自動車で将来輝くのはこの3台だ
【ホンダS660】
軽自動車サイズのスポーツカーで、ターボを装着した660ccエンジンを座席の後部に搭載する。いわゆるミッドシップレイアウトで、2名で乗車すると荷物をほとんど積めない。
実用性はモーターサイクル並みに低いが、運転感覚は抜群に楽しい。低重心でボディの小さな軽自動車だから、道幅の狭いカーブでもスポーティドライブを満喫できる。
さらにソフトトップが備わり、手を使った脱着は面倒だが、爽快なオープンドライブを味わえる。時代背景は異なるが、ホンダビートの再来といった印象だ。
2017年(1~12月)における1か月の平均届け出台数は339台。ホンダN-BOXの1.9%だから、将来の中古車流通台数も少ない。このような販売不振も、売却時にはプラスに作用する。
【三菱 i-MiEV】
かつてはガソリンエンジンを搭載する軽自動車「i」だったが、その後に電気自動車になり、2018年4月にはボディを拡大させて小型の電気自動車となった。
最初の発売は2006年だから12年以上を経過したが、今でも古さを感じない。卵型のボディは新鮮で、手足を伸ばす独特の運転姿勢も個性的だ。デザインに特化したクルマとして注目される。
特に今後の軽自動車やコンパクトカーは、今以上に背の高い車種が中心になるから、アイ・ミーブの個性は時間の経過とともに際立つ。
【スズキハスラー】
先代ワゴンRをベースに開発されたSUV風の軽自動車で、一種の着せ替えグルマだ。
それでも丸型ヘッドランプ採用を採用した外観を個性的かつ魅力的に仕上げ、水洗いの可能な荷室など、エクストレイルなどと同様のSUVらしい実用性を与えた。
大量に販売されているから、希少性が生じにくく高値で売れる可能性は低い。それでも比較的好条件にはなるだろう。
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