歴史に残る名車が数多く誕生した1989年。その日本車のアタリ年に登場した一台がZ32型フェアレディZだ。
Z32は、スタイリングも性能も先代モデルから大きく進化したことで当時大きな注目を集め、そのデザインは今年8月17日に発表が予定されている新型フェアレディZのリア回りに継承されることでも話題になっている。
歴代フェアレディZのなかでも代表的モデルの一台といえるZ32だが、走りの実力はどれほどのものだったのか? モータージャーナリストの斎藤 聡氏が当時を振り返る。
文/斎藤 聡 写真/NISSAN
【画像ギャラリー】歴代のフェアレディZの中でひときわ異彩を放つデザインを持つZ32型を写真でチェック!!
■当時のZはGT-Rに並ぶ日産の大スター!
1989~1990年はスポーツカーの年で、さまざまなメーカーからスポーツカーが登場しました。そんななかでもハイパースポーツの先陣を切って登場したのがZ32フェアレディZでした。
GT-Rの登場は翌月の8月。いまの感覚でいうと「GT-Rの登場でフェアレディZの登場が霞んでしまうのでは……」、そんなふうに思えるかもしれませんが、当時フェアレディZは押しも押されぬ日産の大スター。GT-Rと並び立つオーラがバリバリ出ていました。
しかもわずか1カ月とはいえ、280馬力を謳った日本最初のスポーツカーが登場したのですから、そのパフォーマンスには皆興味津々だったわけです。
先代モデルとなるZ31型は、VG30ETの3L V6SOHC+ターボ(シングル)で240馬力/34.0kgmでしたが、Z32型はVG30DETT型3L V6DOHCツインターボで、パワーもイッキに280馬力/39.6kgmへと大幅アップしたのでした。
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