2021年も開幕戦から白熱した戦いが繰り広げられている国内モータースポーツ。その中でも若手ドライバーの活躍が各カテゴリーで見られ、各陣営でも“世代交代”の波が少しずつ訪れようとしている感がある。
ホンダでは、大湯都史樹や福住仁嶺、牧野任祐の活躍が目覚ましく、トヨタでは坪井翔や宮田莉朋、阪口晴南が上位に顔を出してきているという印象だ。
もちろん日産勢にも将来を背負って立ちそうなドライバーがいる。それ2020年のGT300王者である藤波清斗だ。
文/吉田知弘、写真/塩川雅人
【画像ギャラリー】国内モータースポーツの将来を背負って立つか!? 日産の若きホープ藤波清斗
■スーパーGTそしてスーパー耐久とカテゴリーをまたいで活躍
今シーズンもスーパーGTはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと組んで56号車リアライズ日産自動車大学校GT-RでGT300クラスに参戦。第1戦岡山では運も味方につけて優勝を飾る幸先の良いスタートを切った。
またスーパー耐久ではST-Xクラスの81号車DAISHIN GT3 GT-Rからフル参戦している。
今年からプラチナドライバー区分となり、チーム内でも重要なポジションとなったのだが、第1戦もてぎ、第2戦SUGOともにチームを引っ張るような素晴らしい走りを披露。第3戦富士24時間では自身3度目となる総合優勝を成し遂げた。
今では「GT-RのGT3車両といえば、藤波清斗」と言っても過言ではないくらい、どのカテゴリーにおいても安定したパフォーマンスを披露しているのだが、そのキャリアを振り返ると、決して順風満帆とは言えないものだった。
藤波はカートでの実績が評価されてニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラム(NDDP)の一員に選ばれるが、そこで結果を残すことができず育成メンバーから外れてしまう。その後はスーパー耐久でシートを獲得して活躍するが、そこでも失敗の連続。一時は“もう後がない”というところまでいった。
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