最近のクルマはメンテナンスフリー化が進んでいる。新車から5年くらいは、エンジンオイルとオイルフィルター、ワイパーブレードくらいを交換する程度で乗り続けられる、そうイメージしている人も多いのではないだろうか。
しかし実際には3年後の最初の車検時、そして2年ごと車検時にはバッテリーを交換するオーナーも少なくない。
それはディーラーや整備工場から「バッテリーが弱っているから交換が必要です」と言われて、仕方なく交換してもらうケースが多いようだ。
なぜなら、現代のクルマたちは純エンジン車であっても、電装品の数や役割が膨大な数に上る。エンジンの制御はもちろんのこと、運転支援システムや安全装備、快適装備は電子制御のオンパレードだ。そんな電装品の要であるバッテリーは、1年で10%前後能力が低下していくと言われている。
そんなバッテリー事情ですが、せめて、このバッテリーはもう使えない、充電すればまだ使える……という判断を自分でしたくはありませんか? そしてバッテリーの寿命を延ばすにはどうすればいいのか? モータージャーナリストの高根英幸氏が解説する。
文/高根英幸
写真/大自工業、Adobe Stock(トビラ写真/image360@Adobe Stock)
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■バッテリーはメンテナンス次第で延命可能なのか?
バッテリーはエンジンを始動させる際に大電流を出力することから、この能力でバッテリーの性能を評価する方法がある。
これはCCA(コールドクランキングアンペア)と呼ばれるもので、SAE(米国自動車技術者協会)とJISではマイナス18℃での放電電流値の大きさを計測して数値化する。このCCAが新品時の70%まであれば、問題ないが50%ではもう完全に寿命で、いつ突然死してもおかしくない。
つまり、通常の使用であれば5年前後は使えるもので、使用環境によっては7年くらい使えることもある。
しかしアイドリングストップ車は充放電を頻繁に繰り返すため、より高性能なバッテリーとなっているものの、それでも寿命は短い傾向だ。
車検毎に5万円前後のアイドリングストップ車専用バッテリーを新品に交換するのは、ユーザーにとって大きな負担、燃費節約の効果が吹き飛んでしまう出費といえる。
ということはバッテリーの交換頻度を減らす、つまり寿命を伸ばすことで車検費用を軽減したり、リサイクルに回すバッテリーを減らすことができれば、お財布と環境に優しいカラーライフが実現できることになるのだ。
それでも車検以外に点検整備を行なわないユーザーであれば、車検時に予防整備としてバッテリーを新品に交換しておくのも、選択肢としてはアリだ。
12ヶ月ごとの法定点検をキチンと受けているなら、その時まで寿命を伸ばす努力をしてもいいが、2年に1度しか点検しないのであれば、その間に劣化は進む。
次の車検までにバッテリー上がりで立ち往生したり、駐車場で始動不能に陥った時の実害や、その不安から解放されることを思えば、保険と思ってバッテリーを新品に交換することは悪い選択ではないだろう。
だが、バッテリーはメンテナンス次第で寿命を伸ばすことは十分に可能なのだ。手間を惜しまなければ、一般のドライバーでもバッテリーの延命は可能なのである。
具体的には定期的にバッテリーのコンディションを確認し、補充電(追充電ともいう)してやることだ。それには最新のバッテリー充電器を購入して、使用するだけでいいのだからDIYメンテナンス初心者でもできることだ。
コメント
コメントの使い方セレナC26前期型を乗り続けて12年目、当時トレンドになりだしたアイドリングストップ機能の使用に違和感があり、またコストを判断した時にアイドリングストップは使わずに、長持ちさせた方が得策だと考えて、アイドリングストップ車対応の充電器を購入、年2〜3回の定期充電をしたところ11年目の車検まで何の問題もなく使用できました。