使えないのはどう判断? バッテリーを8年長持ちさせるには

使えないのはどう判断? バッテリーを8年長持ちさせるには

 最近のクルマはメンテナンスフリー化が進んでいる。新車から5年くらいは、エンジンオイルとオイルフィルター、ワイパーブレードくらいを交換する程度で乗り続けられる、そうイメージしている人も多いのではないだろうか。

 しかし実際には3年後の最初の車検時、そして2年ごと車検時にはバッテリーを交換するオーナーも少なくない。

 それはディーラーや整備工場から「バッテリーが弱っているから交換が必要です」と言われて、仕方なく交換してもらうケースが多いようだ。

 なぜなら、現代のクルマたちは純エンジン車であっても、電装品の数や役割が膨大な数に上る。エンジンの制御はもちろんのこと、運転支援システムや安全装備、快適装備は電子制御のオンパレードだ。そんな電装品の要であるバッテリーは、1年で10%前後能力が低下していくと言われている。

 そんなバッテリー事情ですが、せめて、このバッテリーはもう使えない、充電すればまだ使える……という判断を自分でしたくはありませんか? そしてバッテリーの寿命を延ばすにはどうすればいいのか? モータージャーナリストの高根英幸氏が解説する。

文/高根英幸
写真/大自工業、Adobe Stock(トビラ写真/image360@Adobe Stock)

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■バッテリーはメンテナンス次第で延命可能なのか?

オルタネーターの故障やバッテリーの電圧が低下するとメーター内のバッテリーランプが点灯するようになっている。この表示が出たことはありませんか?(amstockphoto@adobe Stock)
オルタネーターの故障やバッテリーの電圧が低下するとメーター内のバッテリーランプが点灯するようになっている。この表示が出たことはありませんか?(amstockphoto@adobe Stock)

 バッテリーはエンジンを始動させる際に大電流を出力することから、この能力でバッテリーの性能を評価する方法がある。

 これはCCA(コールドクランキングアンペア)と呼ばれるもので、SAE(米国自動車技術者協会)とJISではマイナス18℃での放電電流値の大きさを計測して数値化する。このCCAが新品時の70%まであれば、問題ないが50%ではもう完全に寿命で、いつ突然死してもおかしくない。

 つまり、通常の使用であれば5年前後は使えるもので、使用環境によっては7年くらい使えることもある。

 しかしアイドリングストップ車は充放電を頻繁に繰り返すため、より高性能なバッテリーとなっているものの、それでも寿命は短い傾向だ。

 車検毎に5万円前後のアイドリングストップ車専用バッテリーを新品に交換するのは、ユーザーにとって大きな負担、燃費節約の効果が吹き飛んでしまう出費といえる。

 ということはバッテリーの交換頻度を減らす、つまり寿命を伸ばすことで車検費用を軽減したり、リサイクルに回すバッテリーを減らすことができれば、お財布と環境に優しいカラーライフが実現できることになるのだ。

 それでも車検以外に点検整備を行なわないユーザーであれば、車検時に予防整備としてバッテリーを新品に交換しておくのも、選択肢としてはアリだ。

 12ヶ月ごとの法定点検をキチンと受けているなら、その時まで寿命を伸ばす努力をしてもいいが、2年に1度しか点検しないのであれば、その間に劣化は進む。

 次の車検までにバッテリー上がりで立ち往生したり、駐車場で始動不能に陥った時の実害や、その不安から解放されることを思えば、保険と思ってバッテリーを新品に交換することは悪い選択ではないだろう。

 だが、バッテリーはメンテナンス次第で寿命を伸ばすことは十分に可能なのだ。手間を惜しまなければ、一般のドライバーでもバッテリーの延命は可能なのである。

 具体的には定期的にバッテリーのコンディションを確認し、補充電(追充電ともいう)してやることだ。それには最新のバッテリー充電器を購入して、使用するだけでいいのだからDIYメンテナンス初心者でもできることだ。

次ページは : ■バッテリーのメンテナンスは最新の充電器を使えば簡単!

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