■バッテリーのメンテナンスは最新の充電器を使えば簡単!
バッテリーのメンテナンスと聞くと、電流を扱うだけに危険そう、専門知識が必要、というイメージを抱く人も多いことだろう。
しかし最近のバッテリー充電器の高性能さを知れば、そんな心配は払拭されるはずだ。なにしろ、オーナーが行なうのはボンネットを開けて、バッテリー充電器のコンセントを差し込み、バッテリーの端子にケーブルを接続する。そしてスイッチボタンを押すだけなのだから。
そう最新のバッテリー充電器はクルマからバッテリーを降ろさなくても、すべて自動でバッテリーのコンディションを整えてくれるのだ。
どうしてそんなことができるのか、バッテリー充電器をはじめとするカー用品のブランド「メルテック」を展開する大自工業にその仕組みを訊いてみた。
まず不思議なのは、昔のバッテリー充電器は、充電する際にはバッテリーのマイナス端子からアースケーブルを外してクルマからバッテリーを切り放す必要があった。そうしないとエンジンECUに逆電流が流れてエラーや故障の原因になったからだ。
なぜ今のバッテリー充電器はマイナス端子からアースケーブルを外す必要がないのだろうか?
「昔からあるトランス式と呼ばれるバッテリー充電器は、充電時の電圧が15V前後と高く、それが電装品の負担になってしまうので、マイナス端子からケーブルを外して充電していたんです」と語るのは大自工業のテクニカルサポートの担当者だ。
ちなみにトランス式は、開放型と呼ばれる各セルにキャップがあって、バッテリー液が補充できるバッテリー専用の充電器。MF型(密閉型)やドライバッテリーを充電するには、スイッチング式のバッテリー充電器を用いるのが鉄則だ。
「スイッチング式はピーク時でも14.5Vに電圧を抑えているので、走行中の充電に近い環境を維持することで電装品の負担も少ないため、マイナス端子からケーブルを外す必要がありません」。
トランス式は、文字通りトランスを使って変圧しているため、電圧の制御がアナログでアバウト。それに対してスイッチング式は、スイッチング素子という半導体を使っているため、電圧の制御が緻密で正確にできるのだ。
「それでもアイドリングストップ車の専用バッテリーは15.5Vで充電します。クルマのほうが高い電圧で早く充電するようにできているので、電装品もそれに対応できているからです」。
スイッチング式は、バッテリーに接続して内部抵抗を測定して診断してから、充電を開始する。そのため充電器のコンセントを差し込んでからケーブルを接続しても、ケーブル先端のクリップと端子の間で火花が出ることもないそうだ。
ところでバッテリーはどれくらいの頻度でメンテナンスをするべきなのだろうか?
「私は毎日通勤でクルマを使っていますが、それでも蓄電量は80%程度しかありません。アイドリングストップ車ではないのですが、充電制御が入っているので、蓄電量としては不足気味なのです」。
そのため月に1度1、2時間の追充電をバッテリー充電器で行なっているそうだ。減速時に発電量を高めて、加速時などには発電量を減らすことで燃費を改善する充電制御は、慢性的な充電不足になるのでバッテリーにとっては厳しい環境なのだとか。
週末しかクルマを走らせないオーナーであれば、さらにバッテリーの蓄電容量は少なそうだ。もっとも、このあたりはどんな道路環境でどれくらい走らせるかによって大きく変わってくる。
乗らずに停めっ放しの期間が長いほど、バッテリーの劣化は進む。自然放電させている時にサルフェーションという現象が起きやすいからだ。サルフェーションとは、充放電によって極板に発生する硫酸鉛が結晶化して内部抵抗を増やしてしまう状態だ。
コメント
コメントの使い方セレナC26前期型を乗り続けて12年目、当時トレンドになりだしたアイドリングストップ機能の使用に違和感があり、またコストを判断した時にアイドリングストップは使わずに、長持ちさせた方が得策だと考えて、アイドリングストップ車対応の充電器を購入、年2〜3回の定期充電をしたところ11年目の車検まで何の問題もなく使用できました。