世界初の量産ハイブリッド車であり、「ハイブリッドカー」という言葉を広めた立役者であるプリウス。「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーで旋風を巻き起こした1997年登場の初代モデル以来、徐々に販売台数を増やし、トップセラーとなることも。現在販売中の現行型モデルは、2015年登場の4代目となる。現行型発表からそろそろ6年が経ち(モデル末期という背景もあって)、プリウスは初代型登場以来25年の四半世紀となる2022年12月に、次期型5代目モデルへバトンタッチされる…という情報が入っている。衝撃だったのは、現時点で報じられているフロントマスク。マジですか。本当にこんな「顔」で出てくるんですか…。
文/ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部
写真/ベストカー編集部、トヨタ
■フロントデザインは派手だけど…
新型プリウス、最大の注目ポイントはもちろん特徴的なフロントマスク。この情報が入ってきたときは編集部内でもどよめきが起こったが(トヨタ関係筋はそれなりに信頼があります)、歴代プリウスは「一目で先進技術搭載車であると分かること」が重視されてきた。
このぎょっとするライト周りも、そうした狙いを考えると、ありえる…のか…と納得する。
そんなわけで、次期プリウスは現行初期型のクセの強いデザインを踏襲している点(スタイルやコンセプトは現行型のリファイン)、ハイブリッドシステムは3代目からの進化版となること、プラグインハイブリッドの継続(こちらはRAV4 PHVのような「パワフル方向」というよりも、レクサスNXのような「プレミアムグレード的な存在」となるかもしれない)、プラットフォームは現行型のものを改良したTNGA-Cとなりそうなことなど、登場時点は比較的堅実なフルモデルチェンジとなりそうだ。
「これで堅実…?」とも思うが、トヨタのここ最近の「攻める信条」と、プリウスという看板車種の進化を考えると既定路線ともいえる。
そのいっぽうで、プリウスはハイブリッドカーの先駆車というだけでなく、歴代でインパクトのあるモデル揃いだったように、次期プリウスにも仰天の隠し球がある。それは水素エンジンの搭載だ。
トヨタはカーボンニュートラルに対し、豊田章男社長が公式の場で述べているように「答えはEVだけではない、長い目で見た総合的なCO2排出量で見るべき」という考えを持っており、パワートレーンを多方向で開発している。そのひとつが、現在カローラに搭載してスーパー耐久レースに挑戦している水素エンジンだ。
水素エンジンであれば、燃料電池車同様に走行中のCO2排出量はゼロかつ、既存の内燃機関エンジンとの共用部分が多いというメリットもある(現在、内燃機関を作っている工場設備や開発者、部品などの多くが転用できる。特に雇用と工場の問題は大きい)。しかし、その一方でインフラや水素の生産方法といった供給方法をはじめ、課題があるのも事実。トヨタは現在このひとつひとつを解決すべく開発を進めているが、量産市販車の第一弾が「プリウス」であるとすれば、その宣伝効果は抜群だろう。
水素エンジン搭載の次期プリウスの登場には開発にまだ時間がかかりそうなため、登場は次期プリウスがマイナーチェンジされる2025年が有力だ。
コメント
コメントの使い方