手ごろなサイズのSUVとして人気のカローラクロスとヴェゼル。新車購入にあたって迷っているユーザーも多いはずだ。
双方ともハイブリッドが選択可能で、商品力は極めて高い。この2台のガチンコ比較を渡辺陽一郎氏にお願いしたぞ!
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部
■ボディスタイル/サイズ/視界/取りまわし性比較
カローラクロスの外観は、SUVの典型だ。リヤゲートの角度を立ててワゴン風に仕上げた。ヴェゼルは逆にリヤゲートを寝かせて、5ドアハッチバック風に見せている。両車ともにボディスタイルが水平基調だから視界は良好だ。
カローラクロスのボディサイズは、全長が4490mmで全幅は1825mmだ。ヴェゼルは4330mm・1790mmだから、カローラクロスよりも少し小さい。
しかし最小回転半径は、カローラクロスは全グレードが5.2mに収まり、ヴェゼルで売れ筋のe:HEV・Zは5.5mで大回りになってしまう。取りまわし性はカローラクロスが優れている。
●カローラクロスの勝ち
■内装のデザイン/質感/視認性/操作性比較
インパネは両車ともに水平基調で、エアコンのスイッチは高い位置に装着されて使いやすい。ATレバーの操作性も良い。機能的には両車ともに同等だが、インパネ周辺の素材や装飾類は、ヴェゼルが上質に仕上げた。
●ヴェゼルの勝ち
■前後席の居住性比較
前席の座り心地は、カローラクロスが腰をしっかりと安定させる感覚だ。ややスポーティに仕上げた。ヴェゼルはカローラクロスに比べると、リラックス感覚を重視している。両車ともに腰から大腿部を確実に支えており、前席の居住性に大きな差はない。
後席はヴェゼルが快適だ。特に足元空間が異なる。身長170cmの大人4名が乗車した場合、後席に座る乗員の膝先空間はカローラクロスが握りコブシ2つ弱で、ヴェゼルは握りコブシ2つ半に達する。
カローラクロスの後席にも大人が快適に座れるが、ヴェゼルの足元空間はCR-Vと同等に広い。座り心地も適度に柔軟だ。前述の通りヴェゼルは内装も上質だから、コンパクトSUVでありながらミドルサイズ並みの居住性を備える。
●ヴェゼルの勝ち
■荷室の広さとシートアレンジの使い勝手比較
後席と荷室のシートアレンジはヴェゼルが多彩だ。燃料タンクを前席の下に搭載するから、後席を床面へ落とし込むように小さく畳める。この時にはボックス状の空間に変更できる。またヴェゼルでは、後席の座面を持ち上げると、車内の中央に広い空間ができて背の高い荷物も積める。
一方、後席を使った状態の荷室容量は、カローラクロスが大きい。荷室長(荷室の奥行寸法)は、後席を使った状態で849mmを確保した。ヴェゼルの荷室長を上まわる。ヴェゼルは前述のように後席の足元空間を広げたので、荷室長はカローラクロスよりも短くなった。
またカローラクロスはリヤゲートの角度を立てたから、寝かせたヴェゼルに比べると、背の高い荷物を積みやすい。ヴェゼルはシートアレンジが多彩だが、荷室の実用性はカローラクロスが上まわる。
●カローラクロスの勝ち
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